今年の日本シリーズも予想通り“内弁慶シリーズ”となった。第5戦を終えた時点で、広島は本拠地マツダスタジアムで1勝1分、ソフトバンクはヤフオクドームで3連勝して一気に王手をかけた。キーワードは「DH制度の有無」だ。
ソフトバンク・工藤監督は「DHが使えないと、慣れていないのでやりにくい面があるのは確か」と認めている。
現時点では1勝3敗1分けの広島が窮地に立たされているが、第6戦(3日)と第7戦(4日)の舞台はマツダ。さらに第8戦にもつれ込んだ場合は、翌4日にマツダで行われることになっている。
“内弁慶”の傾向通り、“DHなし”をフル活躍して、広島が本拠地で3連勝し逆転で34年ぶりの日本一に輝く展開も十分考えられるのだ。
一方でセ・リーグ球団は、今オフ3度目の就任となった巨人・原監督が2013年に今は亡き星野監督率いる楽天に3勝4敗で敗れて以降、日本シリーズで5連敗中。パ球団の天下が続いている。
それでもセはDH制度導入に関し、いまだに「邪道だ。メジャーでも歴史の古いナ・リーグはDH制度を採用していない」などとアレルギー反応を示している。
だが、DH制度の効用は明白だ。投手が打席に立たないから、報復を恐れず相手打者に対し大胆な内角攻めができる。
またパの投手は、セのように好投してるのにゲームの展開によって代打を送られ途中交代させられることもないから、完投能力がつく。打者の方も、そんなタフな投手を相手にしているうちにレベルが上がる好循環だ。
「パの選手は、体まで頑強で大きい気がする」という球界関係者、OBも少なくない。セ球団は日本シリーズだけでなく、交流戦でもパ球団に歯が立たない現実も忘れてはいけない。
リーグ3連覇を果たし「セの“1強”」といわれる広島が今年も日本一を逃すようなら、セ・リーグはすぐにでもDH制度導入を検討する必要がある。(江尻良文)
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181103-00000009-ykf-spo
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