オリックス・西勇輝投手(27)が今オフ、国内フリーエージェント(FA)権を行使することが2日、分かった。プロ入りから10年間在籍したチームに強い愛着を示す一方で、プロとして可能性を試したい純粋な気持ちから、FA宣言を決断した。
複数の球団が獲得に乗り出すことは必至。残留を求めるオリックスを含めた大争奪戦に発展することは間違いない。
熟慮を重ね、西が一つの方向性を出した。今季最終登板だった1日の楽天戦(楽天生命パーク)を区切りとし、来季についてオリックス以外にも選択肢を広げることを決断。関係者によれば、5月に取得した国内FA権を今オフに行使する意思を固めた。
プロ3年目の11年に初めて10勝をマーク。キレのある速球と多彩な変化球、両コーナーを突く制球力を武器に、10年間で通算74勝と実績を積み上げてきた。
今季は初の開幕投手を務めた。1試合(9回を投げた場合)の平均援護点(2・86)は、規定投球回をクリアする12球団の投手で最少と、打線の援護に恵まれない中で、1日の楽天戦で2年ぶり5度目の2ケタ勝利に到達した。
10年で74勝 故障が少なく1年間ローテーションを守れる西は、どの球団にとっても魅力的な存在。11月の誕生日で28歳と年齢も若く、今後も長期にわたってエース格として十分に計算できる。
先発投手不足の阪神や中日は、西のFA宣言後に獲得に乗り出す方針を固めている。その他の球団も、今オフの目玉右腕の動向を注視しており、複数球団による大争奪戦に発展することは必至だ。
オリックスにとっても、生え抜きの看板選手の西は人気、実力両面で不可欠な戦力。具体的な条件提示を含め、近日中に西と話し合いを行う予定だ。
球団幹部は「来年以降もローテーションを守ってほしい気持ちは伝えています」と強調。
FA宣言後の残留を認め、全力で引き留める方針だ。西も「僕を育ててくれたのはオリックスなので、いろいろな方々に感謝しています」と強い愛着は示している。
4年連続Bクラスに沈み、今季限りで福良監督が辞任。内部昇格なら西村ヘッドコーチを最有力候補として、後任監督の人選を進めている。新体制でも、西はチームの浮沈を左右する存在。昨オフの平野に続いて、チームの中心選手が流出すれば、ダメージは計り知れない。
西がFA宣言すれば、中日、阪神が獲得に向けて動き出すものと思われる。中日の球団関係者は「準地元・三重県の出身で、コンスタントに2ケタ勝利を計算できる投手。先発の軸として期待している」とマネーゲームも辞さない構え。
メッセンジャーが来季38歳を迎える阪神は、軸として1年間、先発を守れる投手が必要で、球団内では「タイプ的にもセ・リーグの野球に合う」と、多彩な変化球を武器とする投球スタイルを高く評価。水面下でアタックの準備を整えていく。
◆西 勇輝(にし・ゆうき)1990年11月10日、三重県生まれ。27歳。菰野高から2008年のドラフト3位でオリックス入団。
12年10月8日のソフトバンク戦(ヤフーD)でノーヒットノーランを達成。14年には球団新記録の開幕8連勝。同年の日米野球、15年のプレミア12で日本代表。
通算成績は209試合で74勝65敗1セーブ、防御率3.30。181センチ、80キロ。右投右打。既婚。年俸1億2000万円。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181003-00000007-sph-base
みんなのコメント