優勝候補筆頭に名が挙がっていたとはいえ、誰がこれほどの完勝劇を予想しただろうか。バドミントンの世界選手権(中国、南京市)は5日に最終日を迎え、男子シングルス決勝は、
桃田賢斗(NTT東日本)がストレート(21-11、21-13)で石宇奇(シー・ユーチー、中国)を破り、初優勝を飾った。世界選手権における、日本男子初の金メダルとなった。
信じられない強さだった。石宇奇は、4月の初対戦で敗れた桃田に雪辱しようと、序盤から持ち味の強打を放った。しかし、桃田は冷徹なほど正確なコントロールでネット前に返し続けた。
ポイントを積み重ねるにつれて、2万人が収容可能な南京市ユースオリンピック公園アリーナを埋めた中国の大観衆は、桃田のレシーブにため息をつくようになっていった。
第1ゲームの折り返しとなる11点目を桃田が取った場面、石宇奇が素晴らしい強打を放ったが返され、いよいよ場内はざわめき始めた。
「またか、これもか、どれも決まらないじゃないか」と言いたげな様子だった。桃田は「相手のウインニングショットを取ったことで、相手にプレッシャーがかかったと思う」と戦略通りに進めていた手ごたえを話した。
第1ゲームを11-21で落とした石宇奇は、困惑していた。決め球を返され、ラリーで不利に陥った。相手コート奥に山なりのクリアを打って桃田を遠ざけることで、手前のスペースを狙うような試合展開を見せたが、クリアがコートを外れ、次々に点数を失った。
石宇奇は「(強打をすぐに打たず)長いラリーをしても得点できず、チャンスが見つからなかった。(強打の)ショットは悪くなかったが、決まらなかった。桃田選手の方が細かいところまで対応ができていて、ミスが少なかった」と完敗を認めた。
12-7と桃田がリードした場面、石宇奇はクロスへのカットで桃田を崩し、返球をクロスへスマッシュ。さすがに、これなら決まるだろうというショットだったが、桃田のレシーブはストレートに飛んで相手コートに落ちた。
相手の心を折るような一発だった。最後は、桃田のドライブがネットインで決まり、21-13。相手を寄せ付けない完勝劇だった。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180806-00010001-jsportsv-spo
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