強豪・G大阪が最下位に沈み、まさかの残留争いとなっています。昨季は現在首位の広島が残留争いに巻き込まれましたが、上位と下位がこれほどまでに毎年入れ替わるリーグは他になく、力の拮抗(きっこう)した戦いとなっています。
G大阪は宮本恒靖監督になり、勝ち点を拾う戦いは徐々にできています。シーズンは3分の1を残していますし、まだ慌てるべきではないでしょう。
ただ、一つ気になったのは数試合前にチーム内部の複数から発せられた「シーズン前に走り込みが足りなかったから後半に走れない」という趣旨の言葉です。その真偽が気になったわけではありません。メディアに発する言葉として不用意だなと思ったのです。
メディアの記事というのはファン、サポーターだけでなく、相手選手も味方選手も見るものです。メディアに「後半に走れない」という記事が載ると相手選手は勇気づくでしょう。そして何より、味方選手が弱気になり、走れない言い訳としてしまいます。
アウトプットされた言葉が記事という形でインプットされて、自分たちの思考を決めてしまうのです。だから、チーム内での会話とメディアに対する発言は明確に区別されなければならず、発する内容には細心の注意が必要になります。
今回も何らかの狙いがあって発せられたものかもしれません。しかし、ここまではその狙いがあったとしたら、逆効果となってしまっています。「後半に走れない」というのが一種の洗脳のようにチームに横たわってしまっているように感じるのです。
サッカーとは時間が止まらないスポーツです。だからチームで息を合わせ、気持ちを入れ直すタイミングが作れません。そうなると選手の無意識の意識が試合に強く影響します。
何気ないメディアへの発言もそこに大きく関わってくるのです。メディアへの発言とチームのメンタルの移ろい方を想像しながら見るのも、サッカーの一つの楽しみ方です。(東京ユナイテッド、元日本代表DF)
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180817-00000302-sph-socc
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