◆巨人2―9中日(29日・東京ドーム)
巨人のリリーフ陣が危機的な状況に陥った。ストッパーのマシソンが29日、左膝痛のために出場選手登録を抹消された。不調のカミネロ、上原に続いての戦線離脱で、開幕時の勝利の方程式「USA」が崩壊した。
中日戦(東京D)は、高卒2年目右腕の高田が先発したが2回6失点のホロ苦デビュー。3カード連続負け越しで借金は5に膨らんだ。2番手の中川が3失点、3番手の池田も不安定な内容で、今後の救援陣の再編にも不安が残った。
このつらい経験を次に生かしてほしい―。由伸監督は、プロ初先発・高田に対する質問には温かく受け入れた。だが、すぐに目はつり上がった。
「2、3番手? 2番手でしょ。3番手以降は抑えているわけだから」と指摘し、「経験というか、いつも同じことを繰り返されるのもねえ…」と深いため息が充満した。
矛先は、3年目左腕・中川だ。6点ビハインドの3回から“立て直し役”として登板。しかし、2イニングを5安打3失点と引きずり、勝負は決した。20日の広島戦(マツダ)、攻撃陣は2回までの7失点を一度は追い付き、勝ち越している。
そんなわずかな期待すら打ち消す投球では、守る野手の士気が下がるのも当然。指揮官は「池田も最初の四球はどうかと思うけど」と5回、先頭の投手・小熊を歩かせた点にも首をかしげた。
中継ぎ陣は今、危機的状況にある。だから、黙ってなどいられなかった。この日、守護神・マシソンが左膝痛のために出場選手登録を抹消された。
けがに限ると、12年7月に右肘痛で離脱して以来の緊急事態である。カミネロも2軍調整中で、右腕のコンディション不良も重なって実戦復帰すらしていない状況。不振の上原も再調整を命じられるなど、勝利の方程式「USA」は完全崩壊した。
代役ストッパーについて由伸監督は「現状はそう思っている」と沢村を指名。7、8回には野上、宮国、この日好投したアダメスの名前も浮上する。
中継ぎとして機能していた吉川光は、左手骨折で戦列を離れたヤングマンに代わり、8月1日のDeNA戦(横浜)に先発予定。こんな“玉突き人事”が続き、若手投手も伸び悩む今、指揮官の悩みも深くなる一方である。
「元々いる戦力で1年間戦うというのは初めから分かっていることだから」とは言うものの、「マシソンら主力のけがは痛いけどね、しょうがない」と締めくくった。割り切って前に進むしかない。そう言い聞かせているようだった。(水井 基博)
◆今季の巨人「勝利の方程式」
開幕当初はカミネロを抑えに据え、上原、マシソンでつなぐのが必勝パターンだった。上原の「U」、スコット・マシソンの「S」、アルキメデス・カミネロの「A」の組み合わせで「USA」として注目された。
開幕当初こそメジャーから復帰した上原の奮闘がチームに好影響をもたらしたが、長く続かず、4月15日の広島戦(東京D)でリリーフ失敗。逆転負けを喫したことで、勝ちパターンの継投から外れた。不安定な内容が目立ったカミネロは、6月29日の中日戦(ナゴヤD)で逆転サヨナラ負けを誘発する乱調で、30日に2軍落ち。
マシソンを守護神の代役に立てた。調整を経て勝ちパターンに返り咲いた上原も、7月26日のヤクルト戦(京セラD)で延長11回に失点して敗戦投手となり、27日に出場選手登録を抹消された。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180730-00000035-sph-base
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