シーズン中と同様、手も足も出ずに敗れた。
1―5で広島に3連敗してCSファイナルステージの敗退が決まった由伸巨人。王手をかけられて迎えた19日の3戦目、当初はエースの菅野智之(29)が中4日で先発するべく準備をしていた。
が、予告先発でマウンドに上がったのは今季6勝2敗、防御率3.86の左腕今村。その今村が三回途中3失点KOされ、結局、エースの出番がないままの終戦だ。
菅野の酷使が続いていたのは確かである。前回14日のヤクルトとのCSファーストステージ第2戦でノーヒットノーランを達成。
その時も9日のシーズン最終戦のリリーフから中4日だった。さらにそのリリーフ登板も4日に119球の完封勝利を挙げてから中4日で、その前は中5日。CS出場圏内の3位争いの中、フル回転が続いていた。
■菅野本人は決死の覚悟も
それでも、菅野自身は19日の試合に中4日で投げるつもりだった。18日の練習後、「明日は中4日? 前回の登板で思っている以上の結果が出た。
自分を信じて投げます。食事、入浴、睡眠をしっかり取る。体がしんどいのはみんな同じ。先頭に立つ身として甘えちゃいけない」と決死の覚悟を示していたが、高橋由伸監督が間隔を1日延ばし、中5日で起用する判断を下したのだ。
「20日の試合に回せば、エースを温存したまま終戦する可能性があるわけだから、中4日で19日の試合に先発させるのが普通ですけど」と、さるチーム関係者はこう続けた。
「原さん(辰徳次期監督=60)の存在が大きかったのではないか。菅野は『コンディション』を理由に11月の日米野球を辞退している。
蓄積疲労を心配した球団の配慮ですが、その中でも原さんの意向が強く働いたともっぱらです。今季はリリーフ陣が苦しい中、202イニングを投げて救援の負担を減らした。菅野は来季から自身の生命線になるわけで、原さんはエースのコンディションを心配していましたから」
この日、室内で行った試合前練習の際、菅野は2戦目に決勝3ランを放った広島の菊池、田中と通路でバッタリ遭遇。同学年の3人は前回WBCで侍ジャパンのメンバーとして戦った仲である。
「おっ、ノーヒットノーランのパワーちょうだい!」とちゃかす菊池に、「パワーあり余ってんじゃん!」と返答した菅野はさらに、「1回くらい勝たせてよ~」と冗談めかして懇願。しかし、“願い”はかなわなかった。
由伸体制を支えた村田ヘッドコーチ、斎藤投手総合コーチ、大西外野守備走塁コーチらの退団が濃厚。消化不良のまま、由伸巨人は解体されることになった。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181020-00000024-nkgendai-base
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