◆テニス 全米オープン第4日(30日、米ニューヨーク) ▽男子シングルス2回戦N・キリオス(オーストラリア)3(4―6、7―6、6―3、6―0)1P・エルベール(フランス)
第30シードのニック・キリオス(23)=オーストラリア=が逆転勝ちした試合で、主審の行動が物議をかもしている。第2セットで0―3になった時点でモハメッド・ラヒヤニ主審が審判席から降り、座って休むキリオスに約30秒ほど何か話し掛けた。
中継映像で身ぶり手ぶりを交えて「僕は君を助けたい。君は素晴らしいプレーヤーだ。この試合のプレーは君本来のプレーではないだろう」などと激励ともとれる発言をしている音声が拾われている。
主催者の全米テニス協会は声明を発表。「主審はうるさいスタジアムでしっかりコミュニケーションをとるために、
審判席を離れて座っているキリオスの元に行ってコンディションを確認した。気分が悪いようならメディカルタイムアウトを取るように説き、
試合続行への意欲を失っているように見えるため主審として行動を起こす必要があることも伝えた」と事実関係を伝えるにとどめた。主審への処分に対しては言及していない。
キリオスは16年の上海マスターズで無気力プレーにより罰金と出場停止処分を受けた過去がある。会見では「上海の時と同じことが起きた。あのときと同じようなことを審判に言われた」と主張。
「彼は僕を気に入っていると言ってきたが、それが激励だったかは分からない。ほとんど聞いていなかったけれど、いい状態には見えないと言われた。
彼に言われたことは全く役に立っていない。(第2セットは)0―3から2―5までリードされたことからも分かるだろう」とした。
気力がないように見えるプレーぶりについては「2週間前、ウエスタン・アンド・サザン・オープン(米シンシナティ)でデルポトロと対戦した時もそうだった。
最高のパフォーマンスができなかった。テニスではよくあること。第2セットの途中まで暑すぎた。雲が出てきて、第3、4セットはとてもいいプレーができた」と暑さも要因だったと説明した。。
対戦相手のエルベールは「キリオスに声をかけるのは審判の仕事ではないと思う。警告を与えるなら椅子から降りる必要はない。彼はコーチではなく主審。椅子に座っているべきだった。間違いを犯した」と怒り心頭。
「第2セット途中までキリオスは100%でプレーをしていなかった。あの場面以降、別人のように集中していいプレーをするようになった。
主審が何を言ったかは知らないが、あの場面からキリオスがいいプレーをするようになったことは確かだ」と断言。「選手が間違いを犯せば罰金を受けるように、審判も罰金を受けるべきだ」と話した。
モハメッド・ラヒヤニ主審は4大大会史上最長11時間5分の死闘となった、2010年ウィンブルドン男子シングルス1回戦J・イスナー(米国)対ニコラ・マユ(フランス)戦の主審を務めたことで有名。ツイッターでは「なぜ審判が選手を励ますんだ」などと批判が殺到。「今年のNO1コーチはラヒヤニだ」と皮肉なコメントも寄せられた。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180831-00000082-sph-spo
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