今夏の甲子園準優勝投手で一躍時の人となり、ドラフト1位候補に浮上した金足農(秋田)・吉田輝星投手(3年)。5日に行われたU18アジア選手権の韓国戦で先発し、初回に3ランを浴びたものの、二回以降は1安打に抑える好投。
6回2安打3失点、5奪三振という結果に、「二回以降は相手バッターの嫌なところに投げることができた。
二回以降の投球を続けたい」と、話した。現段階では八戸学院大学への進学が有力となっているが、「巨人が好き。行きたい」と発言するなど、何かと注目を浴びている。吉田はプロで通用するのか。プロのスラッガーはどう見ているのか。巨人と広島の「4番打者」に聞いた。
■誠也「大学でダメになった投手は結構いる」
「母校(二松学舎大付)が出ていたのもあって、甲子園は見ましたよ。吉田君、いいですよね。ピュッと球が伸びる。大学進学とかいわれてますけど、ボクの意見を言わせてもらうと、すぐにプロで勝負して欲しいですね。
見たところプロ向きというか……。誰とは言いませんけど、甲子園で騒がれて大学へ行ってダメになっちゃった投手って結構いるでしょ?」
こう話すのは、広島の4番、鈴木誠也(24)だ。二松学舎大付から2012年ドラフト2位で指名されて6年目。16年に「神ってる」でブレークし、
今季も8月に月間12本塁打をマークするなど、首位を独走するチームを牽引している。昨5日も初回に2ランを打つなど、もっか打率・336、28本塁打、83打点だ。
鈴木も高校時代は投手として最速148キロ、打者としては高校通算43本塁打の「二刀流」だった。しかし、3年夏は東東京大会準決勝で敗退。甲子園の土は一度も踏めなかった。
「148キロだからスピードは同じくらい? ボクは2年の時に右足の内転筋をケガしてから投げ方が分からなくなった。今思えば全然ダメなピッチャーでしたから、吉田君とは全然レベルが違いますよ」
吉田の進学先の候補には八戸学院大が挙がっている。これは同大の正村監督に指導してもらった恩義があるからだという。高校生にとって、学校同士のしがらみなども進路に大きく影響する。
「そういう事情はよく分かりませんけど、(誠心誠意)監督に言えば何とかなるんじゃないですか。決めるのは自分ですから。
よく大学を出ておいた方がいい、って言いますけど、ボクは早くプロに入って早く稼ぎたかった。もしプロでダメだったら、『トビ(職)』でもやろうかと思ってました。何で? だってカッコいいじゃないですか。
ボクでもプロで何とかなってるんです。吉田君だって何とかなりますよ。そうはいっても、高卒1年目からすぐに活躍するのはたぶん無理。
ボクはプロに入ってレベルの違いにビビりまくりました。でも早くビビっておいた方が、そのレベルに早く慣れることができる。大事なのは時期を間違えないこと。あとは『強い気持ち』だと思います」
■岡本「いつか勝負したい」
一方、昨5日に3試合連続となる29号を放った巨人の「第89代4番」岡本和真(22)は吉田をどう評価しているのか。
「いいのはやっぱり直球の質じゃないですか。彼のは伸びる。他の高校生投手とは、明らかに質が違う球を投げていました。だから次々と強豪校を倒せたんじゃないですか」
岡本は智弁学園時代、3年のセンバツで1試合2本塁打を放ち、大きな注目を浴びるようになった。高校通算73本塁打。3年夏の甲子園では、リリーフでマウンドにも上がった。
「二刀流? いやいや、ボクはただのリリーフ。しかも1回戦(明徳義塾)負けでしたからね。あっちは決勝。断然上ですよ。話題の人ですし、いつか勝負したいですよね」
そう言う岡本は夏の甲子園敗退直後、「プロで頑張りたい」ときっぱり宣言。吉田のように進路で悩むことはなかったのか。
「全く迷いません。大学という選択肢はありませんでした。勉強、嫌いやったんで(笑い)。智弁学園も大学へ進学することが多いんですが、ボクは『プロ一本で』と監督さんに意思を伝えていました。吉田はどうするべきか? それは分かりません」
岡本は14年のドラフトで巨人から1位指名を受けた。4年目の今季はもっか打率・316、29本塁打、91打点の成績を残している。
若き主砲2人のアドバイスは、吉田の参考になるか。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180907-00000012-nkgendai-base
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