関東では電車内のリュックの前抱えはかなり浸透していたが、関西ではめったに見ない。なぜ関西人はリュックの前抱えをしたがらないのか―。大津市の59歳男性から質問が寄せられた。
通勤通学で混み合う電車内でリュックサックや鞄を前に抱える「リュックマナー」。関西の一都市である京都で、どれほど浸透しているのか。車内や駅ホームで呼び掛けを行っている市営地下鉄のラッシュ時に、記者が実際に乗車して確かめてみた。
サラリーマンや学生たちが絶え間なく行き交う朝の四条駅。午前7時59分発「竹田行き」に乗り込んだ。階段に近い先頭車両のドア付近は、電車の少しの揺れでも肩がぶつかる混みようだった。
小ぶりのリュックを前に抱えて立っていた会社員澁谷易子さん(25)=左京区。京都駅で降車した際に声を掛けると、「混み始めると邪魔になるので、前に抱えた方がいいと思って」。大学生の頃から習慣になっているといい、その言葉から配慮が感じられた。
一方、リュックを背負ったまま降りてきた右京区の会社員男性(25)は「ドア付近なら(他人のリュックを)邪魔に思うことはないし、迷惑にはならない」。ただ、車内の中ほどや奥にいる時は、人が通れるよう前に抱えると話した。
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電車の混雑時にリュックを前に抱える「前派」と、背負ったままの「後ろ派」。どちらが多いのか。後日、四条駅で午前8~9時の1時間、「国際会館行き」の先頭車両後方のドアから降車してくる乗客のうち、リュックを前に抱えて出てくる人と、後ろに背負っている人をそれぞれ数えた。
結果は、「前派」が17人だったのに対し、「後ろ派」はその2倍以上の37人に上った。他に、当初想定していなかった「手持ち派」が27人もいた。混み合う電車の中でリュックを前に抱えるマナーは、京都ではまだ十分に浸透していない実情がうかがえる。
電車内でのリュックマナーを巡る関東と関西の意識の差について、京都でマナー教室を主宰する奥田理恵さんは「人口が多く交通網が発達している都市ほど、車内マナーも向上する」とし、鉄道の利用者と路線の多さから「関東の方が関西に比べマナーの意識が高いと言えるかもしれない」と推測する。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180721-00000026-kyt-soci
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