<バドミントン:世界選手権>◇5日◇中国・南京◇男子シングルス決勝【南京(中国)=高場泉穂】男子シングルスの桃田賢斗(23=NTT東日本)が、世界ランク3位の石宇奇(中国)を2-0で下し、この種目で日本男子初の金メダルを獲得した。
相手は世界ランク3位で地元中国の石。完全アウェーの中、桃田は冷静にテンポよく得点を重ねた。第1ゲームは21-11と先取。第2ゲームも勢いのまま21-13と連取して、悲願の優勝を決めた。五輪、世界選手権を通じて、日本男子の世界一は初の快挙となった。決勝のコートでは笑顔が多かった。重圧、プレッシャーより、また最高の舞台でバドミントンができる喜びにつつまれているように見えた。
リオ五輪直前の16年4月に、違法賭博の店に出入りしていたことが発覚。無期限の試合出場停止処分を受け、17年5月に処分が解除された。
試合に出られない謹慎期間。チームメートの練習相手になったり、シャトル拾いをこなした。子供時代からエリート。今まで無縁だったサポート役を経験し、バドミントンをプレーできるありがたさ、喜びを学んだ。積極的にバドミントン教室などにも参加。競技を心から楽しむ子供たちを見て、原点の気持ちも取り戻した。
今年から日本代表にも復帰。ネット前のヘアピンショットに代表される持ち前の高い技術に、フィジカルの強さが加わり、昨年7月の282位から再スタートした世界ランクを6位にまで上げ、銅メダルを獲得した15年以来3年ぶりに世界選手権に戻ってきた。
組み合わせに恵まれたこともあるが、ここまで4戦を危なげなく勝ち上がった。動きのキレはこの日も変わらず。「気持ちで負けないように足を動かして自分らしく戦いたい」と話していた通り、集中した戦いで世界の頂点に立った。
◆違法賭博問題からの桃田の歩み
16年4月 スーパーシリーズ(現ワールドツアー)マレーシア・オープンに出場中に賭博問題が発覚。日本協会から無期限の試合出場停止処分を受ける。
同5月 NTT東日本の出勤停止処分が解け、練習を再開。
17年5月 出場停止処分解除。実戦復帰となった日本ランキングサーキットで優勝。
同7月 カナダ・オープンで準優勝。ポイントが消滅していた世界ランキングに282位で復帰。
同12月 全日本選手権準々決勝で敗退。
18年1月 2年ぶりに日本A代表に復帰。
同年4月 アジア選手権優勝。
同5月 国・地域別対抗戦トマス杯で第1シングルスを務め、日本の準優勝に貢献。
同7月 インドネシア・オープンの準決勝で五輪3大会連続銀メダルのレジェンド、リー・チョンウェイ(マレーシア)、決勝で世界ランク1位アクセルセン(デンマーク)を破り、優勝。世界ランクは6位にまで上昇。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180805-00290677-nksports-spo
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