「バドミントン・世界選手権」(5日、南京)
日本男子シングルスでは五輪、世界選手権を通じて初となる決勝に進出した世界ランキング7位の桃田賢斗(23)=NTT東日本=が、同3位の中国の石宇奇(22)を2-0のストレートで撃破し、初の金メダルを獲得した。
若くして光と影を経験したが、いつでもバドミントンが大好きだった。7歳の時、姉が通っていた三豊ジュニアで競技を開始。
当初は阪神タイガースファンの父・信弘さんが野球をやらせることを前提に「バドミントンの打つ動きは野球の投げる動きにつながる」という理由で始めたが、桃田少年は徐々にバドミントンの魅力にのめり込んだ。
小学4年からはスポーツ少年団で野球も始めたものの、「いつの間にかバドミントンの方がメインになっていた」と笑いながら振り返る。
15年世界選手権で日本勢初の銅メダルを獲得するなどエース街道を突き進んでいたが、16年4月に発覚した違法賭博問題で棒に振った。
若気の至りとはいえ、身から出たサビ。「もうバドミントンはできないかもしれない」と最悪のことも覚悟したが、日本協会から下されたのは無期限対外試合出場停止処分。復帰への道は閉ざされなかった。
社内の謹慎処分が明け、練習再開となった16年5月30日。NTT東日本の須賀隆弘監督は、初めて対面する桃田に「一つだけ確認したかった」と、こう問いかけた。「今でもバドミントンは好きか?」。桃田は即答したという。「今でも好きです」。“再生”に向けてそれが一番大事な要素だった。
世間からはバッシングも受けたが、「バドミントンを嫌いになることはなかった」という。謹慎期間中はバドミントン教室で子供たちを指導したり、社業にも取り組んだ。「バドミントンができることは当たり前じゃない」。
以前は走り込みが嫌いだったが、練習前には1日も欠かさずランニングを続け、フィジカルの強さとスタミナを身につけた。
そして17年5月にコートに復帰し、今年からは日本代表にカムバックした。折り紙付きのショット技術に加え、屈強なフィジカルに裏打ちされた粘り強さを身につけた。
初の世界一に輝き、2020年東京五輪への期待も高まる。「バドミントンが好き」というシンプルな動機がある限り、エースはまだまだ成長できる。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180805-00000148-dal-spo
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