体操取材歴40年のテレビ朝日スポーツコメンテーターの宮嶋泰子氏(63)が3日、自身のフェイスブックを更新。
女子体操の宮川紗江(18)が日本協会の塚原千恵子・女子強化本部長(71)らからパワハラを受けたと主張した問題について「私のところにSNSでの誹謗中傷もかなり来ています」と明かし、自身の見解を改めて示した。
宮嶋氏は「今回の体操暴力&パワハラ事件に関して、何やら、私のところにSNSでの誹謗中傷もかなり来ています。テレビで体操協会の暴力事件は塚原夫妻の陰謀であるという意見を体操OBがテレビで伝える中、私は塚原陰謀説を否定してきました」とコメント。
その上で「偶然この事件の発端からじっとそばで見ておりましたので、今日は私なりの見解をお伝えします」「男子体操OBたちが色々な番組に自ら出演を申し出て主張を繰り返してされていました。しかし、私の見解は異なります。ここにそれを整理してお伝えします」とつづった。
まずは「なぜ数年にわたって繰り返し行われてきた速見コーチの暴力が今頃急に問題になったのか?」との点について、「以前の所属先やナショナルトレーニングセンター(NTC)などで繰り返し行われてきた速見氏の暴力ですが、
同じ練習場所でトレーニングをしていた選手やコーチが、このことについて塚原千恵子強化部長に報告しました」「すると偶然これと同じ時期に、別ルートから日本スポーツ振興センター(JSC)にも速見氏の暴力の報告と調査依頼が提出されていました」と説明。
「慌てたのは体操協会です。自分たちがこの問題をきちんと処理しなければ、JSCがこの暴力問題を徹底的に調査し始めます。JSCから調査が入り体操協会の不祥事が明るみになればこれは体操協会の不名誉な出来事となります。
そこでまずは、日本体操協会内でこれを徹底的に調査するので、JSCの調査はそれが不十分だった場合に行ってもらうようにしたのです」とし、「山本専務理事による選手やコーチ及びクラブの聞き取り調査が始まり、多くの目撃証言が寄せられ、
早い決断で、無期限資格停止となりました。この処分は本人が悔い改めしっかりした指導がなされれば戻ってくることも可能というものです。大会への出場やNTCでのトレーニング指導はできませんが、一般の体育館での指導は可能です。
その指導者の生活権までは奪わないというものです。この迅速な処理によって、JSCからの調査は行われないこととなりました。生半可な結論ではJSCからの再調査が行われる可能性があったのです。
これが、なぜ急にこの暴力問題が取りあげられ早い処置がなされたかという理由です。塚原夫妻が選手とコーチを離す意図で早い処置をしたという推測は間違いだとお分かりになると思います」とした。
次は「宮川紗江選手が感じた恐怖の下地は引き抜き?」という点。宮川と塚原氏が話し合いを行った7月15日に現場で取材していたという宮嶋氏は「宮川さんや速見コーチは以前から、塚原夫妻の引き抜きが頻繁に行われていると信じていました。
そして今それが行われていると思っていたのです。実は私はこれは『思い込み』だと感じています」と主張。「確かに朝日生命体操クラブには日本全国から優秀な選手が15歳ぐらいで移籍してくるケースがありました。
しかしそれは自分で望んだり、移籍した選手の好成績を見て後を追って移籍して来たり、または親同志のコネクションで移籍して来たりするケースが多かったようです。塚原千恵子さんは『自分で勧誘したことは一度もない』と言っています」と明かし、
「又、昨日私のところに入った元朝日生命選手からのコメントによると、7年間の在籍中に引き抜かれてきた選手は一人もいなかった。テレビで男性体操OBが話している『引き抜き』は思い込みに過ぎない、きちんと調べてから発言してほしいと明言していました」と記した。
3点目は「塚原夫妻のハラスメント」について。「もともと、自分の考えを前面に押し出す塚原千恵子さんは、『おかしいものはおかしい』とはっきり口に出すタイプでした」と明かし、「ですから体操界でも塚原さんから嫌われている人も多くいました。
反対に、塚原千恵子さんを嫌う人も多くいたことになります。こうしたことも、今回、体操OBが塚原攻撃に出た一つの要因でしょう。『おかしいものはおかしい』と言ってしまうことも、今の時代はハラスメントにつながると指摘する弁護士もいます」とつづった。
4点目は「専属コーチの暴力問題から、協会幹部へのハラスメントへ」。「今回宮川紗江さんと並んで記者会見などに臨んだ山口弁護士の手腕は見事でした。コーチの暴力問題を協会幹部から選手へのハラスメントへ移行させてしまったのですから。
顧客である宮川サイドの応援という意味では完璧だったでしょう」と宮嶋氏。「ただ、だからと言って、暴力問題が薄まるわけではないということです。これは絶対にダメなのです。そして暴力を受けた選手が『私は大丈夫です』などと言ってもいけないのです」と強調。
「そして組織の幹部もハラスメントにもっと意識を向けなくてはいけないということです。昔の体育会の上意下達の世界で育ってきた幹部連中には選手がコーチの指示を聞くのは当たり前という思いがあります。
しかし時代は変わり、選手とコーチが話し合いながら、よい方法を考えて実践していく時代に入ってきているのです。そこを認識する必要があるでしょう。昨夜塚原夫妻のお詫びのコメントがファクシミリで流れました。そのあたりに二人が気付いてくれたとしたのならうれしいことです」とつづった。
5点目は「これからの宮川紗江さん」について。「宮川さんは高校を卒業して今年春、『私は内村航平さんと同じプロです』と公言しています」とし、「現実的には練習環境の確保や資金繰りなど難しい面も多々あったのでしょう。
この記者会見の時には所属先も決まっていない状態でした。宮川さんは大阪体育大学ダッシュプロジェクトの4年契約がありましたが、それもどうなったのかわからないままで、さらには2か月ほど所属したスポンサー企業から外れることを宮川さんサイドが強く要望し、8月下旬に外れています。
こうした、今、自分が置かれている状況を打開したいという思いもあったでしょう。今回の件で、スポンサーがつき、安心してトレーニングができることになればこれ以上のことはありません」と記述。
「10月下旬から11月にかけて行われる世界選手権を辞退し、ナショナル合宿にもいかないということなので、次回宮川選手を見るのは4月の大会になるはずです。私はこれはとても良い決断だと思っています。
ゆかと跳馬が得意であるにも関わらず、試合の度に足首を痛め、思うように着地ができず、7月1日の全日本種目別では7位に終わってしまっています。根本的な治療とトレーニングの改善を行い、4月に向けて基礎からやり直していくことが求められます。
体操協会から練習場所の斡旋などがあると望ましいのでしょう。今から来春の宮川選手の演技が楽しみになっているファンも少なくないと思います」とつづった。
最後に宮嶋氏は「この事件をきっかけに、みんなが一致団結して世界選手権でメダルを獲るという目標に向かい、東京オリンピックの団体出場権を獲得してほしいと思っています」と願った。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180903-00000167-sph-spo
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