◆テニス 中国オープン第7日 ▽女子シングルス準々決勝 大坂2―1張帥(5日、中国・北京)
世界ランク6位の大坂なおみ(20)=日清食品=が泣きながら逆転勝ちで4強入りを決めた。世界ランク45位の張帥(29)=中国=との準々決勝はサーブが絶不調。
第1セット途中から泣き出し、サーシャ・バイン・コーチ(34)の励ましを3度受けて最終セット3―5から4ゲームを連取して逆転した。
準決勝(6日午後3時半以降開始)で同20位のアナスタシヤ・セバストワ(28)=ラトビア=と対戦する。
大坂の目にみるみる涙が溜まっていった。最初のポイントでダブルフォルトを犯し、ショットも動きも前日の好調ぶりがウソのように悪い。
「力尽きたような感覚」に襲われ、第1セット0―3で早くもサーシャ・コーチに助けを求めた。笑顔で前向きな言葉をかけられても、涙は止まらなかった。
第2セットを何とか取り返し、最終セット開始前もコーチに「自分を疑うのはやめなさい。できる、やれると言うんだ」と励ましを受けた。
それでも仏頂面のまま、簡単なミスにいら立ちラケットをたたき付けた。5―4の第10ゲーム前にも「できるよ、やれるよ」と言葉をもらい、マッチポイントは9本目のサービスエースで仕留めた。「勝敗を考えすぎるのはやめて、今やるべきことだけを考えた。
何かを変えないと後悔すると思った」。試合時間2時間33分、凡ミス66本、ダブルフォルト8本。苦しすぎる試合に笑顔はなく、相手選手に「イライラした態度をとってしまってごめんなさい」と謝った。
突然、気分が沈んでしまう経験は以前もあった。3月のBNPパリバ・オープンでツアー初制覇を果たした後、4月のボルボカーOP3回戦の途中で泣き出し敗れた。当時は「初めてのことで説明できない」と困惑し不調に陥った。
その経験を生かし、全米制覇後は疲労困ぱいながら凱旋をモチベーションに、東レ・パンパシフィックOP準優勝と踏ん張った。
しかし常に注目される精神的負担は計り知れない。シーズン終盤で疲労もたまり、背中にテーピングを施し戦っている。
大会後の世界ランクは伊達公子、錦織圭(日清食品)に並ぶ日本勢シングルス最高の4位になる。成績上位8人のみが出場できるWTAファイナル(21日開幕・シンガポール)行きも決めている。
今大会で優勝すれば3位のアンゲリク・ケルバー(ドイツ)と僅差に迫り、日本女子シングルス初の年間3勝となる。底をつきそうな気力を振り絞り、準決勝も戦い抜く。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181005-00000291-sph-spo
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