◇第100回全国高校野球選手権大会準決勝 大阪桐蔭5―2済美(2018年8月20日 甲子園)
主役は決勝打の石川に譲ったが、今秋ドラフト1位候補の根尾昂内野手(3年)は好守と2安打でチームを支えた。決勝進出を決めると、晴れやかな表情で校歌を歌った。
決勝では、戦後初となる3度目の胴上げ投手に期待が集まる。昨春と今春の選抜大会で史上初となる2年連続の胴上げ投手に輝いた、投打二刀流。瞳を輝かせながら秘めた決意を明かした。
「最後にマウンドに立てたらいいなと思います。準備はできています。自分も先発するぐらいの気持ちで準備したい。他の投手が投げる時はそれをカバーし、自分が投げる時は仲間を信じたい」
3度胴上げ投手に輝いたのは過去に2人。夏の選手権大会で1931年から3連覇を成し遂げた中京商(現・中京大中京)の吉田正男、33年春と35年春、36年夏に頂点へ導いた岐阜商(現・県岐阜商)の松井栄造だけだ。
戦前にまでさかのぼる偉業へのチャレンジに、燃えないわけがなかった。岐阜県飛騨市出身の根尾にとって、同じ東海地区の偉大な大先輩と肩を並べる絶好のチャンスだ。
大会No・1の最速150キロ右腕・吉田率いる金足農との決勝戦。相手に不足はない。最速148キロを誇る根尾も一目置く投手だ。
「苦しくなっても腕を振ってくる素晴らしい投手。直球が素晴らしい。変化球も低く、粘り強く投げ続けている。タフなイメージで、大黒柱ですね」。今大会2本塁打を放つ5番打者として剛腕攻略のイメージを膨らませた。
スキーで国際大会に出場した実績の持ち主。それでも中学2年生の夏に「野球で生きていく」道を選択した。15年の秋、初めて見学に訪れた大阪桐蔭の練習に心が躍った。「スキーに未練はありません。
目つき、雰囲気が他の高校とは全然違った」。父母会会長も務める父・浩さん、母・実喜子さんも夢を後押ししてくれた。頂点まであと一つ。マウンドに上がれば、全力で腕を振る覚悟だ。(吉仲 博幸)
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180821-00000064-spnannex-base
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