助成金不正流用や反社会勢力との交遊などが問題となっている日本ボクシング連盟の山根明会長(78)が、8日に辞任する可能性を示唆した。
同連盟の緊急理事会が7日、大阪市内で開かれ、山根会長の進退を本人に一任することを決定。同会長は8日正午に結論を出すことを明言した。アマチュアボクシング界で長年強権を振るってきた「終身会長」に決断の時が訪れた。
強固だった“帝国”が、音をたてて崩れていく。数々の疑惑の渦中にいる山根会長は、緊急理事会を終えると会見し、自ら口を開いた。
「進退は会長に一任すると言われた。心が整理できました。明日12時(正午)に私の生涯、男としてのけじめを話すので今日はちょっと時間をください」
日本ボクシング連盟の定款では、理事会は会長、副会長、専務理事、および常務理事の選定、解職の権限を持つと定められている。
会長解任もあるのではとの観測も流れる中、午後4時に始まった緊急理事会は3時間以上に及んだ。出席した理事は内部の様子について口を閉ざしたが主題が会長の進退問題だったことは間違いない。
山根体制は、「日本ボクシングを再興する会」から同連盟の助成金流用や不正判定など12項目にわたる告発状を日本オリンピック委員会(JOC)などに提出されてから、確実に追い込まれていた。そこに、とどめを刺したのは自ら認めた暴力団組長との過去の交遊だった。
2020年東京五輪を控えて、各スポーツ団体が反社会的勢力との完全決別を掲げる中、組織のトップが交遊を認めた発言は衝撃を広げた。
かつては強固だった親山根派の理事たちの結束も揺らいだ。山根会長はこの日午前、「辞任」に言及した鈴木大地スポーツ庁長官に「なぜ調べもせず山根明を差別しているんですか?スポーツ庁長官!」と強気に反論したが、各方面から強まる辞任要求に、側近たちは支えきれなくなっていた。
最も近い側近と言われた吉森照夫副会長でさえ、この日閉会した高校総体の会場(岐阜)で、会長の解職を求める理事がいることについて「声は聞いている」と否定しなかった。理事の大部分が結束して辞職し、会長に辞任を迫る動きもあった。
山根会長は会見で「迷っているか」と聞かれて「そうでしょう。43年という歴史を持っていますから」と答えた。考えを翻して徹底抗戦へ舵(かじ)を切る可能性も残されているものの、たとえトップが延命を図っても、山根体制が崩壊寸前という事実はもう動かない。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180808-00000005-spnannex-fight
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