日本ボクシング連盟(日連)の山根明会長(78)の勘違い発言をきっかけとした暴行事件が4日、発覚した。昨年3月、当時側近だった前近大総監督の沢谷広典氏が脳梗塞で倒れた際、搬送された病院へ遅れて駆けつけた理事に、山根会長が激高。
別の側近理事が暴行を働いた。この一件で、暴行した理事は書類送検された。「日本ボクシングを再興する会」が8日に追加公表する告発第2弾には、この暴行事件が含まれるという。
関係者によると、昨年3月に岐阜県羽島市で高校選抜大会が開催された際、夕食時に沢谷氏が脳梗塞で倒れ、羽島市民病院に救急搬送された。同席しなかった山根会長だが、連絡を受けて病院に急行すると、救急車に同乗した関係者を除けば一番乗りだった。そのことから、食事に同席した理事が遅れて到着した時に激高したという。
「おまえら、今頃、何しにきたんや。(同乗者)1人に任せてホテルに帰りやがって」
救急車の付き添いは1人しか同乗できないため、理事は同乗者からの連絡を待って搬送先を確認の上、駆けつける心づもりだった。だが、山根会長は聞き入れなかった。すると会長の意向を忖度(そんたく)したのか、別の側近理事が食事に同席した理事を暴行。肩をつかんで振り回した。
「興奮していたので痛みは感じなかったがビックリしました」と振り返る理事は市民病院という場所柄、周囲の目を気遣い、自分は受診せず診断書を取らなかった。
ただ、「“沢谷氏を置いていった”というのは違うと分かってほしかった」として後に岐阜羽島署へ被害届を提出。受理した同署は、同席した関係者から事情聴取を重ねた。「暴行した側近理事は書類送検されたと聞きました」。自身も聴取を受けた沢谷氏は本紙取材に答えた。
暴行を受けた理事はその後に日連から除名処分を受けた。公式な除名理由は、昨年3月にプロの元世界4団体ミニマム級王者・高山勝成を高校指導者対象の講習会に呼んだことだった。
国際協会は2016年リオデジャネイロ五輪からプロ選手の出場を解禁したが、日連はプロ経験者のアマ選手登録を認めておらず、講習会に招いたことを問題視。理事には昨年5月、口頭で除名が通達された。
日連の助成金流用や不正判定など、12項目にわたる告発状を文部科学省などに送付した「日本ボクシングを再興する会」は8日に記者会見を行う。“告発第2弾”となるこの場で、一連の暴行問題の経緯に加え、その後に同連盟から除名処分を受けた理事の処分撤回などを求めるという。
アマチュアボクシング界の内紛はまだまだ収まりそうもない。
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180805-00000011-spnannex-fight
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