日本ボクシング連盟の不正疑惑で、助成金の流用や過去の暴力団組長との交友関係などで批判を受け、会長を辞任した山根明氏(78)が9日、スポーツ報知の電話取材に応じ、日本連盟の会員として“居座る”意向を示した。8日に表明した辞任の職務は「日本連盟会長」
「理事」と明言したが、「日本連盟から退会するのか」の問いに「全然違う」と断言した。告発した「日本ボクシングを再興する会」の鶴木良夫代表は「連盟を辞めないつもりだ」と懸念。今月中にも臨時総会の開催を連盟に請求し、山根氏の除名に動く考えを示した。
辞任表明から一夜明け、山根氏がスポーツ報知の電話取材に応じた。愛用する呼び出し音「ゴッドファーザー 愛のテーマ」がぴったり10秒間、流れると「はい」と電話口に出た。
―8日に辞任を表明したが、すべての職から辞するということか。
山根氏(以下、山)「すべてというのはどういう意味?」
―会長職、理事職、日本連盟会員、関西連盟会長職などすべてを辞するのか。
山「理事と、会長は辞任してますよ! それ以上のこと、答えません!」
そう言うと、電話を切った。山根氏は時間をおいて再度、電話取材に応じた。
―電話が途中で切れたが。
山「もう結構です」
―連盟を退会するのか。
山「全然違います! 違います!」
山根氏は、日本連盟からの退会をきっぱりと否定。その下に位置付けされる関西連盟の会長職の辞任も明言を避けた形となった。
再興する会の鶴木代表は「明言しないのは、会長と理事は辞めても連盟に居座るつもりなのでしょう」と指摘した。
会長、理事を辞任したことで監督・監視する権限はなくなったが、関西連盟会長職に残ると理事に返り咲く道を与えることになる。関西連盟会長は全国9ブロックの代表理事で、2期以上務めると理事就任の条件を自動的に満たすことになる。
県連盟会長職を辞したとしても、会員に残れば議決権はないものの、所属県理事の代行が可能で、委任状を持って総会に出席し発言することができる。鶴木代表は「(山根氏が連盟に)いるだけで悪影響を及ぼす。除名にしないと院政を敷かれ、新体制が成り立たなくなる」と危惧した。
一方で、日本連盟の吉森照夫専務理事はこの日、共同通信の取材に、山根氏が会長と理事を退くことを8日に電話で確認したと明らかにし「(日本連盟に)残りません」と述べた。
再興する会では今月中の臨時総会実現を目指し、47都道府県の各代表に賛同を呼びかけ、山根氏の影響下にあった京都、滋賀、兵庫が応じ、牙城の一角は崩れた。
山根氏とゆかりのある奈良、大阪、和歌山から賛同は届いていないが、包囲網は築きつつある。鶴木代表は「渋っていた県が続々と賛同してきているが、一刻の猶予もない」と山根氏の“逃げ道”を封じる構えだ。(小河原 俊哉)
◆日本ボクシング連盟・臨時総会招集の手続き
議決権は理事30人と各都道府県代表者47人で全77票。日本連盟の定款によると、これらの5分の1以上の議決権があれば、会長(会長不在の現在なら会長代行)に対して総会の招集を請求できる。招集を拒否された場合、裁判所の許可を得て招集を請求する方法もある。臨時総会に正会員の過半数が参加し、3分の2以上の票が集まれば会員の除名を決議できる。
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180810-00000091-sph-fight
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