【赤坂英一 赤ペン】「まだまだ、早起きの癖が抜けませんね。朝6時になると、どうしても目が覚めちゃうんですよ」
前巨人二軍監督・川相昌弘氏は、そう言って苦笑いを浮かべた。7日の朝8時半、宮崎の宿舎で球団に契約解除を通告され、8日からのみやざきフェニックス・リーグへの参加を中止して急きょ帰京。あまりに突然で自分でも驚いていたが、かすかな予感はあったという。
「ぼくの前に、スカウト部長の岡崎さん、GMの鹿取さんが外されるという話が聞こえてきたんです。高橋監督も辞任するし、これを機に球団もいろいろ変わりそうだな、という気はしてました」
川相氏とともに、田代二軍打撃コーチも退団。ほかにも複数の二軍コーチたちに配置転換の内示が行われたという。原氏の3度目の監督復帰とともに、ファームも編成部門も大幅な人事刷新が図られる見通しだ。
なお、一部でささやかれていた自分の“次期監督説”は「聞いたことがないですね」と否定。ある場所で会った中畑清氏も「オレにもそんな話は“ナカッター、キヨシ”」と笑っていたそうだ。最近は、ジャイアンツ球場に残していた私物の整理、関係者へのあいさつなどに追われていた。
「ただ、あいさつはロッカーのほうで済ませました。選手のいるグラウンドには行ってません。彼らにも何か話をしておけばよかったのかもしれないけど、できなかったですよ。とてもそういう気持ちになれなかった」
川相氏は8年前の2010年、中日でも二軍監督を解任されている。このときはナゴヤ球場で選手に別れのあいさつをしたが、育てた若手たちが目の前で号泣。川相氏も涙をこらえきれなかった。だから今回はあえて選手たちの顔を見ず、ひとりでそっと球場を離れることにしたのだ。
「今年、二軍の選手たちは本当に成長しました。打率では石川慎吾、松原聖弥、和田恋がリーグの1位から3位。和田は本塁打王にもなった。投手も高田萌生が11勝2敗、防御率2・69でリーグのトップ。来年が楽しみな若手が増えてるんです」
川相と同い年の松尾寮長にはこう言われた。
「今年は寮生の70%が一軍に行った。おかげで寮はいつもすごく活気があった。こんなことは巨人でも初めてだろう。川相のおかげだよ!」
今年でいったんユニホームを脱ぐ川相氏にとって、これ以上はない惜別の言葉だったろう。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181017-00000002-tospoweb-base
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