WBA世界ミドル級王者・村田諒太(32)=帝拳=は、王座防衛よりも世界最強の道を行く。WBAは13日、村田の次戦の興行権について、同級2位ロブ・ブラント(米国)のプロモーターが落札したと発表。一方、帝拳ジム・本田明彦会長(70)は14日、
この入札結果に従わない意向を示した。WBAから王座剥奪される可能性もあるが、村田が10月20日に米ラスベガスで行う次戦に勝てば、
WBA・WBC同級統一王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)VS挑戦者サウル・アルバレス(メキシコ)戦(9月15日予定)の勝者と対戦する計画を進めているという。
村田には難敵が必要だ。この日、都内で取材に応じた本田会長は、村田の次戦が10月20日にラスベガスで開催されると明言。その上で「GGG(ゴロフキンの愛称)とカネロ(アルバレスの愛称)の勝者と対戦するための最短の道筋。やれる方法はこれ」と今後の展望を明かした。
WBAの興行権入札結果には従わない。WBAから対戦指令が出ていたブラント側が落札。WBAは10月27日に米国内での開催を提案している。本田会長は、これを「了承を受けていた話と違う」として拒否する意向。
ブラントは選手としては米国での評価が低く、せっかく本場での試合で村田が勝利しても、メリットが少ないという。次戦の候補にはジェイソン・クイグリー(アイルランド)ら好戦的で高い評価を受ける選手が挙がっており、村田が華々しく勝利を飾ってステップアップできる相手と慎重に交渉していく。
これにより村田が王座剥奪される可能性があるが、同会長は「村田も『タイトルは関係ない』と思っている。GGGとやれればいい。
防衛を重ねるためにやっているわけではない」と強調した。王座を保持したまま、評価の上がる相手とV2戦、となればベスト。だが、たとえベルトを失おうと、陣営はあくまでも世界的ビッグマッチの実現を優先させる。
ゴロフキン陣営も「村田が一番の対戦相手だ」と、以前から2012年ロンドン五輪金メダリストの日本人王者には興味を示していた。また、元世界2階級王者のアルバレスも、9月にゴロフキンとの再戦で勝てば、初防衛戦で強敵との対戦を望むはず。
昨年のゴロフキン戦で引き分けるなど、アルバレスも世界最高峰の実力は本物。そこで対戦相手に名乗りを上げるため、村田は米国開催の次戦で、評価を高めておかなくてはならない。
村田自身も4月の初防衛時にリング上で「戦いたい相手はゴロフキン。そこを目指してやりたい」と熱望していた。層が厚く、世界の強豪が集う群雄割拠のミドル級。日本の誇る世界王者は、最強の証明にこだわっていく。(浜田 洋平)
◆ゴロフキン対アルバレス
昨年9月16日に米ラスベガスで、当時WBAスーパー、WBC、IBFミドル級王者のゴロフキンと元世界2階級王者アルバレスが対戦し、引き分けた。ゴロフキンはプロ38戦目で全勝記録が途絶えたものの、各王座の防衛に成功。
今年5月5日に再戦が予定されていたが、アルバレスが自発的に受けたメキシコでのドーピング検査で禁止薬物のクレンブテロールに陽性反応を示し、試合は中止に。9月15日にラスベガスで再戦する。
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180814-00000201-sph-fight
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