間に合わなかった、ということか。時間切れーー。
昨年オフに右肩を手術した岩隈久志投手(37)の今季限りでのマリナーズ退団が11日発表された。
今年、一進一退を繰り返した。昨年も経過だけをたどれば、同じようなものと映るかもしれない。
しかし、痛みが出ないような投げ方を模索していた昨年とは違い、今年は岩隈本来のフォームに戻りつつあった。後は微妙な部分の微調整を行っており、例えば、上半身と下半身がうまく連動し、力が指先に伝わる感覚ーー本人の言葉を借りるなら、「バチッ」と来る瞬間を探していた。
むしろそれこそ、彼が一番大切にしていたところ。一方で球団は球威を気にしていた。いや、そのはずだったが、最後はどうだったのか。
岩隈に球威を求めるのは、ナンセンスにも聞こえる。打者との駆け引き、制球力でここまで150試合に登板し、63勝39敗、防御率3.42という数字を残した。
もちろん本人は、「95マイル(約153キロ)とか、投げてみてぇ~」と笑いながら話したことはあるが、球速がすべてではないことを、身をもって示していたからこそ、そんな話も自虐的に出来た。
ただ今年は、4月20日から打者を相手に投げ始めたものの、なかなか球速が上がらない。それがメジャー復帰において一つの障害になった。というのもチームは、球速の回復を一つの目安としていたのだ。
6月頃、メル・ストットルマイヤー投手コーチも、「肩に痛みがないことが前提だが、リハビリ登板で85~86マイル(約137キロから138キロ)ぐらいまで上げて欲しい」と具体的な数値を口にした。
そこまで上がれば、メジャーのマウンドではアドレナリンが出て、88~89マイル(約142キロから約143キロ)に上がるだろう、という判断が裏にあるわけだが、
果たして8月の終わりに始まったリハビリ登板はどうだったかといえば、1回目の最速は77マイル(約124キロ)、2回目は84マイル(約135キロ)、9月5日の3度目は88マイル(約142キロ)だった。
つまりはこのとき、岩隈は課題をクリアしていたのである。
ところがその後、非情の通告を受ける。岩隈が、「いける」という手応えを掴んで、1週間も経っていなかった。
もうマイナーのシーズンが終わり、投げる場がない。今の状態では上で投げさせられない、来年は戦力と見ていないーー。チーム側はそうした事情を説明したようだが、となると、疑問も湧く。
ちょうど昨年の今頃、岩隈はシーズン終盤の復帰を目指して、シミュレーションゲームのマウンドに立っていた。
そこで投げられるところを見せられれば、というところだったが、終わってからストットルマイヤー投手コーチに話を聞くと口を濁し、フィールドからクラブハウスへ繋がる通路で岩隈を捕まえると、苦笑しながら言った。
「やばいっす。真っ直ぐが82(マイル、約132キロ)ぐらいしか出ないっす」
岩隈が手術に踏みきったのは、それからすぐのこと。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180913-00000001-wordleafs-base
みんなのコメント
今の段階だと楽天復帰が濃厚でしょうね。本人は復帰に手ごたえを感じてるようだが、来季も今年同様にリハビリになってしまう可能性はあるので、日本でも古巣以外の他球団は二の足を踏むでしょう。
ただ本当にもう少しで復帰可能な状態なら、シアトルは見限ったが、メジャーの他球団が声をかける可能性はまだあると思う。
もちろんメジャー契約は無理でマイナー契約だろうが、今年のようにメジャー復帰した場合は、それなりの金額になるスプリット契約を提示する球団があったらどうするかな。
記事の通りマイナー契約なら球団に大したリスクはないので、岩隈のメジャーでの実績を考えると、復帰できた時のメリットを重視して声かける球団はあるんじゃないかな。
特に先発が揃ってなくて厳しい球団。シアトルは昨季より先発はいるので、見限ったというのもあると思う