ワールドカップロシア大会は、モスクワで決勝が行われ、フランスがクロアチアを4-2で下して、自国開催だった1988年大会以来5大会ぶり2度目の世界一となった。海外メディアは様々な角度からフランスとクロアチアの決勝戦を論評した。その中で目についたのは、VAR判定が結果的に勝敗を分けることになったことへの指摘だ。
BBCオンラインは「現代のサッカーにおける最もエキサイティングな試合のひとつであった。雷鳴のなか、クロアチアとフランスは、スペクタクルで人の心を奪う試合を運んできた。そして、議論となっているビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が、結果に大きな影響を及ぼした試合でもあった」と、VARの影響を指摘した。
1-1で迎えた前半34分にグリーズマンの右CKが、クロアチアのペリシッチの手に当たってゴールラインを割ったように見えた。レフェリーはハンドをすぐに取らなかったため、フランスが抗議、ハンドかどうかをクリアにするため、VAR判定が使用され、レフェリーが直接慎重に映像を確認した結果、PKがフランスに与えられた。これをグリーズマンが落ち着いて決めて2-1と勝ち越し点を奪うことになった。
同メディアは「ハーフタイムまであと7分の時点で、フランスがグリーズマンのペナルティーキックで再リードを奪ったときに、クロアチアは不当な扱いを受けたという不満を抱いただろう。(その影響からか)フランスは後半に入ると、わずか6分間でボグバとエムバペのゴールで畳みかけたように見えた」と伝えた。
VAR判定によるPKで2-1として勢いをつかんだフランスは後半14分にボグバ、後半20分にエムバペと続けさまにゴールネットを揺らして4-1とゲームを決定的にした。
例え手にボールが当たっても、明らかな意図がない場合や、そのハンドが得点やその後のプレーに大きな影響を与えていない場合は、ハンドを取らずPKを与えないケースもある。それだけに今回のケースにメディアが議論を起こすのも無理はなかった。
スペインのアス紙は「ポグバとグリーズマンの筋肉と才能が輝き、デシャン監督のフランスが世界を制覇した。決勝戦はフランスチームの集中力、効率の良さ、そして高い能力を示すエキシビションのようだった。フランスには、絶対的な王が1人いるのではなく、鉱物の花崗(かこう)岩のようなチームなのだ。
2つ目の星(優勝)はハンマーでコツコツ打つことによって訪れた。また19歳のエムバペの登場は、これから何年も先まで凱旋門が開いていることの前兆だ」と、フランスの勝利を称えながらも、VAR判定に疑問を投げかけた。
「クロアチアは最初にVARの高度技術に、その後は肉体的、精神的に疲労していた」アルゼンチンのオレ紙も、フランスを祝福すると同時に「フランスがチャンピオンになれたのは、VARが存在したためだ」と苦言を呈している。
ニューヨークタイムズ紙によると、クロアチアのダリッチ監督は、試合後、このVAR判定の是非について質問を受けて「VARを重んずるが、自分たちの願ったようになれば、それはよいこと。望んだようにならなければ、それは悪いことだ」と話したという。
VAR導入元年のワールドカップの決勝にふさわしい試合といえばそれまでなのだろうが……。引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180716-00000004-wordleafs-socc
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