◇セ・リーグ 阪神3―9広島(2018年7月26日 甲子園)悪夢としか言いようがなかった。後半戦こそ本領を発揮してほしい――。首脳陣の期待を背負い、ファンの願いを一身に集めたマウンドで阪神・藤浪が無残に散った。
立ち上がりから制球が定まらず、プロ最短の1/3回でKO。後半戦初マウンドは悔しさと屈辱にまみれた。
「チームに申し訳ない。やりにくかったのは言い訳にはならない。自分でゲーム中にどうしようもなかった。それが悔しいです」
プレーボール直前に甲子園球場を襲った豪雨の影響で1時間12分遅れでのスタート。臨戦態勢に入っていた気持ちを1度リセットしなければならなかった影響はあったはずだが、それを差し引いたとしても状態が悪すぎた。
初回、先頭の田中にいきなり四球。安部に中前打でつながれると、丸にも四球で無死満塁。鈴木を遊ゴロに打ち取る間に先制点を許したが、奪ったアウトはこれだけだった。
松山にはこの試合3つ目の四球で再び満塁とし、西川に左中間に2点二塁打を浴びる。続く岩本にストレートの四球を与えたところで、ベンチからタオルが投げ込まれた。
緊急登板の2番手・岡本が磯村に2点打を許し、藤浪は1/3回2安打4四球5失点。試合をぶち壊した。
2勝2敗と不本意な成績だった前半戦終了後の19日には、ウエスタン・リーグのソフトバンク戦で調整登板。4回2安打無四球無失点の快投を見せた。後半戦での巻き返しを期して上がった本拠地マウンドだったが…。
「すごくいい感じでこの1週間を過ごせたんですが。だからこそ余計に悔しい…」
岩本への四球直後に交代を告げた金本監督にとっても大誤算だった。後半戦開始前に「ボールは良いと思う。大車輪でね。中5日ぐらいで行ってくれたら大きい」とキーマンに指名していた。
大車輪どころか、先発の役割を全く果たせず降板した右腕に「見ての通りの結果ですね」と突き放し、今後についても「厳しいかもな」と話し、試合後のコーチ会議で2軍降格が決まった。
5位に転落したチームは27日から甲子園を離れ、長期ロードが始まる。首位広島とのゲーム差は今季最大タイの11まで開き、28日にも自力優勝の可能性が消滅する。厳しい戦いを目前にしての藤浪の大乱調はあまりに痛いが、下を向くことは許されない。(山添 晴治)
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180727-00000065-spnannex-base
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