「監督人事が『風雲急』を告げています」
こう言うのは、さる阪神OB。13年連続のV逸が決定し、2001年以来となる最下位でシーズンを終えれば、金本知憲監督(50)の進退問題に発展するというのだ。
「超変革」のスローガンを掲げて16年から指揮を執り、1年目から4位、2位、6位。采配下手、育成下手については今さら言及するまでもないが、「就任3年目に最下位転落なら、責任問題が噴出するのは当然」と、前出のOBが続ける。
「金本監督は昨オフ、新たに今季からの3年契約を結んでおり、来季続投が既定路線。しかし、最下位でシーズンを終えるようなら話は別です。
いくら複数年契約を結んでいるとはいっても、監督の契約はあってないようなもの。現時点で球団は、金本監督に正式な続投要請を行っていない。来季は事実上の『白紙』になっているのです」
金本監督とフロントの間に隙間風が吹きかねない事態も生じている。たとえ指揮官が続投しても、球団がコーチ陣のテコ入れを要求するプランが浮上しているというのだ。
「金本監督はこれまでと同様、来季も自ら招聘した片岡ヘッドらと一蓮托生でやっていきたい。組閣人事にしても主導権を握っていましたからね。
しかしV逸どころか、最下位転落ともなれば、フロントも親会社も黙っちゃいない。強硬に組閣にメスを入れれば、紛糾は必至です。
金本監督とすれば、コーチに責任を押し付けて、自分だけがユニホームを着続ける事態になりかねない。これが火種になるでしょう」(前出のOB)
これまでは比較的おとなしかった在阪メディアは、成績不振、責任問題を追及するだろうし、そもそも外様の金本政権誕生に懐疑的だった生え抜きOBたちからも否定的な声が出ている。
揚げ句の果ては、複数のフロントからも「超変革を掲げながら、ただチームをぶち壊しただけだ」などと政権批判が出始めているというから、ガタガタである。
金本監督はかつての野村、星野時代と同様に編成の主導権を握ってきた。それが監督就任の条件のひとつだったといわれている。その結果、冷や飯を食わされ続けているフロントもいるのだ。
■OB、フロント、メディアの「お家騒動」
かつて阪神監督を務めた野村克也氏は、「阪神の歴史は内紛、お家騒動の歴史。外様監督はメディアやファンからの圧力に加え、
OBからの反発にもさらされる。フロントも圧力に簡単に屈する」と著書「あぁ、阪神タイガース」で書いた。
「時の政権を快く思っていないOBやフロントの中には、足を引っ張るような情報をメディアにリークしたり、監督人事に影響力を持つ本社役員をたきつけたりする人間もいる。
いわゆる『お家騒動』です。こうして周辺から外堀を埋められ、退陣に追い込まれた監督は過去に何人もいる。金本監督もそうなる可能性は十分にあります」(地元関係者)
そして、関西では早くも次期監督の名前が取りざたされている。
「前二軍監督の掛布雅之(63)と元監督の岡田彰布(60)です」
とは、別の阪神OB。
「阪神には昔から派閥があり、中でも掛布は『安藤(統男)、掛布派』、岡田は『吉田(義男)派』がそれぞれ監督に推している。掛布は二軍監督退任後もオーナー付シニアエグゼクティブアドバイザーとして、坂井オーナーのご意見番を務める。
自主性を重んじる野球は金本監督とは対照的で、伸び悩んでいた若手が飛躍的に成長する可能性がある。人気もバツグンです。一方、岡田は、04年から08年まで5年間指揮を執り、05年にはリーグ優勝に導いた実績があって、『特効薬』になり得る。
2人とも監督就任に意欲満々です。現フロントには安藤、掛布派の色がついた人物が少なくないし、親会社には岡田を支持する人間もいます」
阪神が3年前、金本監督に託した「超変革」には、現場はもちろん球団の体質も含まれていたはずだ。だからこそ、オーナーは全権を委ねた。
しかし、金本監督が退任すれば、改革は道半ばで頓挫する。和田前監督以前のようにOB中心の体制に「先祖返り」をして、成績がV字回復する保証はどこにもない。歴史は繰り返されるのか。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180922-00000011-nkgendai-base
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