日本ボクシング連盟の吉森照夫専務理事が8日、山根明会長の辞任と、日本連盟を告発した側の「日本ボクシングを再興する会」が、不正判定の証拠となる音声データを新たに公表したことを受けて、都内で緊急会見を行った。騒動が勃発して以降、やっと開かれた連盟としての正式な会見。露呈したのは連盟の組織としてのいびつさだった。
吉森専務理事の会見では、質問を受け付けず、一方的な声明となった山根会長が発した「辞任」が、会長職のみなのか、理事までなのか、会員もなのか、会長の意向の確認がとれておらず、混乱に陥った。
吉森専務理事は「確認したわけではないが」と前置きした上で「会長の性格上、すべて辞めるという約束だと思う。それが当然」と説明。ただ、この期に及んであいまいな状況に、報道陣からの追求が止まず、「しつこいですよ!」と、キレてしまう場面もあった。
正式な辞任届のようなものはなく、「会長がやめるといったので、辞任しました。天下に公言したのですから」と、形に残らない「言葉」での辞任を認め、「皆さんが手続きが必要とおっしゃるなら、書面をいただいてもいい」と話す始末だった。
7日の理事会での辞任の迫り方も、世間の感覚からはどこかズレている。吉森専務理事は「会長自らが1人で反社会的勢力の方との対応、ないしはそれについての問題解決のために一生懸命やっている姿を見て、あの歳で健康も害し、心痛していました。
会長、どうぞ、そういう立場、健康を害する立場じゃないように楽になってくださいと、みんなで訴えました」と、振り返った。
反社会的な勢力との付き合いを公言した山根会長に「暴力団との関係があるようでは、世間の皆さんの大変な非難を浴びられますよ」と諭す言葉もあったようだが、吉森専務理事は「会長自身に直接、この点がおかしいんじゃないのか、という意見は一切ありません」と、断言。
「今、会長がお辞めになった方が、会長の今までの功績を汚すことなく、色んな批判を乗り越えられますよ」と、なだめ、ほだしながら、一任し、なんとか辞任へと導いた。
会見では、女子ボクシングに挑戦した山崎静代(南海キャンディーズのしずちゃん)や、現WBA世界バンタム級王者・井上尚弥(大橋)の名前を挙げて、女子やジュニアの強化に取り組んだという山根会長の実績を強調する場面も。
「会長の功績はものすごく大きい。世界連盟に対する発言権とか、信用とか、愛情とかを受けておられる。そういう立場がいるか、いないかは国際大会では大きな違いがあると思います。そういう意味では残念」と、“政治力”の低下に懸念を示した吉森専務理事。トップの辞任で、果たして問題は解決されるのか。不安を残す会見となった。
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180808-00000158-dal-spo
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