「ちゃんと調べた方がいいですよ」
巨人・鹿取義隆GM(61)のセリフである。23日、DeNA戦の前に取材に応じ、「金足農の吉田が巨人入りの希望を明かしたが」と聞く報道陣を開口一番、こう言って制したのだ。
前日22日に母校・金足農に戻った吉田輝星が、報道陣に「(将来は)プロ野球選手になって活躍したい。(好きなチーム?)巨人が好きです。行きたいです」と答えた。
時の人に“逆指名”された格好の巨人。同GMは現段階で直接プロ入りするのではなく、八戸学院大への進学が既定路線とされていることを念頭にクギを刺したのである。
巨人は現在、3年連続V逸中。弱い上に、ここ数年は、野球賭博、泥酔暴行事件、窃盗事件など選手の不祥事が相次いでいる。「球界の盟主」は遠い過去の話。にもかかわらず、甲子園のニュースターが「巨人が好き」「巨人に行きたい」と言った。こんな光栄なことはないのではないか。
さる球界関係者がこう言う。
「巨人の関係者はうれしいでしょう。とはいえ、話題の吉田がプロ志望に翻ったら、それはそれで球団内は紛糾する。甲子園大会前の段階で1位候補には、大学生の即戦力投手である東洋大の本格派右腕、梅津、上茶谷ら。
高校生では大阪桐蔭の根尾、藤原、報徳学園の小園、横浜の万波らが上位候補リストに入っていた。この段階で吉田は上位の当落線上。
岡崎スカウト部長は『金足農の吉田君は見たことがないので楽しみ』と名前を出していたが、ここまで活躍するとは思っていなかったのではないか。実際、巨人は報徳学園にかなり食い込んでいるようですから」
昨夏、甲子園で6本塁打を放ち、清原(PL学園)の本塁打記録を塗り替えた中村(広陵)は、同じように時の人となり、「広島が一番いいなって思いはあります」と希望球団を答えている。しかし、地元出身で相思相愛だった広島でさえ、補強ポイントである即戦力投手を1位指名するか、葛藤があったという。
鹿取GMは「スカウトからの評価は(今大会で)上がっています」とも言った。それなら1位で指名するのか、できるのか――。次回のスカウト会議は来週行われる予定。もし吉田がプロ希望に変われば、混乱は避けられそうにない。
試合は先発した山口俊が3本塁打を浴び、6回4失点でKO。0―6で2試合連続で零封負けとなり、借金は3に膨らんだ。
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180824-00000019-nkgendai-base
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