【ジャカルタ村上正】ジャカルタ・アジア大会の第7日は24日、競泳女子の池江璃花子(18)=ルネサンス=が50メートル自由形決勝に出場し、24秒53で金メダルを獲得し、今大会6冠を達成した。1大会の金メダル数は日本勢単独最多となり、高校生活最後の夏を大記録で締めくくった。
表彰式を終えた池江は応援に駆けつけた家族や恩師らの顔を観客席に確認すると「たくさんの人が見に来てくれていて、安心して涙が出てきた」と目を赤くした。「絶対負けたくない」と隣のコースの劉湘(中国)を意識して激しく競りながら、終盤に抜けだし0秒07差でかわした。
前向きに物事を考えられる強じんな精神力が池江の魅力だ。今月上旬には東京都内でパンパシフィック選手権があり、中6日でアジア大会に出場する強行日程。池江は2大会で10日間の競技日程で計25レースを泳いだ。
疲労が蓄積されてきた20日は個人2種目の決勝レースに臨んだ。優勝した50メートルバタフライの表彰式を終えると、再び100メートル自由形決勝に登場。慌ただしくレースを終えた池江は「途中からそれが楽しくなってきた」と笑った。
競泳陣の主将、大橋悠依(22)=イトマン東進=は「この記録は出せないとか、これはできないという壁がない。『できる』と思った時の璃花子は本当に強い」と語る。
姉と兄の影響で3歳から水泳を始め、小学6年で全国優勝し、中学3年で初めて日本代表入りした。母美由紀さんは「幼い頃から姉と兄に絶対勝ちたいと思い、どうすれば良いかと考えていたことが競技に生かされている」と目を細める。
東京・淑徳巣鴨高の3年生。チョコレートが大好きで、普段は普通の女子高生というが水中出産で誕生した「水の申し子」。プールに入れば表情が変わる。
2000年シドニー、04年アテネの両五輪代表で池江を指導する三木二郎コーチ(35)は強みとして「抵抗の少ない泳ぎに持って生まれたスプリント力」を挙げる。身長171センチの長身に加え、筋肉トレーニングにも取り組み、力強さも増した。
池江が20年東京五輪で目標に掲げるのは最も得意とする100メートルバタフライで世界新による金メダルだ。同選手権では56秒08をマークし、自らの日本記録を塗り替え、世界記録に0秒60差に迫ってきた。
6個目の金メダルを手にした池江は「素直に6冠できるとは思っていなかった。まだアジアなのでこれをどう東京五輪につなげられるかが鍵になる。これで気を抜かず、また気持ちを入れ直す」と語る。20歳で迎える東京五輪の主役候補に名乗りを上げた。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180824-00000097-mai-spo
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