宇宙航空研究開発機構(JAXA)が日本初の有人月面着陸機を開発する構想が16日、明らかになった。米国が2020年代に建設を目指す月基地への参加を念頭に置いたもので、欧州と連携し30年ごろに着陸を目指す。実現すれば米国のアポロ計画以来、約60年ぶりの月面着陸を日本が担う歴史的なプロジェクトになる。構想によると、着陸機は4本脚のテーブルのような形状で、上部に欧州が開発する離陸船を連結させる。月の上空を周回する基地に係留し、飛行士4人が船内に乗り移り降下。エンジンを逆噴射して月面に軟着陸する。
カナダの探査車に乗って2日程度滞在し、月面を探査。帰還時は着陸機を月に残し、離陸船だけが上昇し基地に戻る。基地出発から帰還まで4、5日の予定で、ほぼ年1回、計5機程度の着陸を見込んでいる。
機体は米国のロケットで打ち上げる。1960年代に人類初の月面着陸に成功したアポロ(2人乗り)と比べ、離陸船と合わせた重さは2倍の約35トン、大きさは約1・3倍の見込みだ。
米国は2022年にも月基地の建設を開始する。国際宇宙ステーション(ISS)に続く宇宙基地と位置付け、各国に協力を呼びかけており、日本政府も参加を検討している。米国はここを拠点に、30年代に有人火星飛行を目指す。
月面着陸機は米航空宇宙局(NASA)など各国の宇宙機関が共同で作成した宇宙探査の工程表に盛り込まれており、今後は国際的な調整が進むとみられる。
JAXAは昨年6月、日本人の月面着陸を目指す考えを公表したが、着陸機の構想は初めて。3年後に打ち上げる無人月面着陸機「SLIM」(スリム)で実証する高精度の着陸技術を有人でも生かす。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180817-00000503-san-sctch
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