人気アイドルグループ「AKB48グループ」の一部のファンの間で、イベント参加のための新幹線のキセル乗車や手助け行為が横行している疑いがあることが23日、捜査関係者への取材で分かった。
警視庁が摘発した複数のファングループの間ではキセルの手助けを指す「MK(迎え)」の隠語を使用するなど手口に共通点があり、こうした現状を受けて同庁は、キセル防止に向けて交通機関などとの検討会議を25日に初開催する。
キセル乗車や手助けを繰り返していた疑いがあるのは、今年5月に「AKB48」のコンサートチケットを転売目的で購入したとして警視庁に逮捕された相模原市の大学4年の男(22)ら男3人。
キセル乗車は入場券で新幹線に乗車した上で、手助け役の仲間が目的地の駅の入場券を渡すという手口で繰り返されていた。
捜査関係者によると、関係先から昨年7月21日付の入場券の領収書を押収し、3人が手助け行為をMKの隠語で呼んでいたことが判明。警視庁は遅くとも昨年夏ごろから、AKB48グループ関連のイベント参加のためにキセル乗車を繰り返した疑いが強いとみる。
警視庁が昨年11月、同様の手口でキセル乗車を手助けした容疑で逮捕した大学生の男はAKB48グループの「HKT48」のファンで、仲間内でMKの隠語を使用。男は当時「手助けができる者は各地におり、ネットワークは数百人に及ぶ」と供述していた。
今回逮捕された3人はチケット転売により約1年半で460万円を売り上げる一方、“節約”のためキセル乗車に手を染めていた。主導的な役割を担った大学4年の男は「ファンを続けるためカネが必要。やっている人間はいっぱいいる」と供述。スーパーでのアルバイト代もファン活動に費やしていたという。
AKB48グループでは、CDの購入枚数が多いほど、人気投票「選抜総選挙」で投票できる枚数や、イベントで使える握手券が増える。こうした状況下、一部のファンらが握手券窃盗や、他人のクレジットカードを使ったCD不正購入などを行う現状が問題視されている。
アイドル産業に詳しいフリーライターの大坪ケムタさんは「アイドル産業全体としてファン活動の費用が多額になる傾向にある」と指摘し、違法行為に関し「摘発されているのは大学生などの若者。お金に余裕のない世代が中心となってグループ化し、モラルや規範意識が薄くなってしまうのではないか」と分析する。
警視庁などが25日に開催する検討会議では手口などの情報共有が行われる予定で、同庁幹部は「実務者レベルで実効性のある防止策につなげていきたい」と語っている。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180724-00000054-san-soci
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