北海道地震では、札幌市清田区の住宅街で、水道管の破裂や地盤の液状化が起き、道路が陥没したり、家が傾いたりするなどの被害が出た。地震から2日たった現場を記者が歩いた。
市中心部から南東に約12キロ離れた閑静な住宅地。路面では、地震直後にあふれた大量の泥水は引き、乾いた土ぼこりが覆っていた。
長さ50~70メートルにわたって陥没した道路で、ショベルカーが埋め立て作業に追われる中、札幌市職員らは、一帯で被害を受けた家屋を診断する「応急危険度判定」を進めていた。
男性(71)の住宅は北側の玄関側が隆起し、南側に落ち込むように大きく傾いていた。約35年前に建てた思い出いっぱいの家。
「まさかこんなことになるなんて」。男性は、3段階で最も危険度が高い「危険」の赤い紙が貼られた家をぼうぜんと見つめていた。
娘(44)は、地震後、室内を歩くと酔ったような感覚に襲われた。揺れのせいかと思っていたが、明るくなって部屋が傾いているのに気付いたという。今は別の住宅に身を寄せ、日中は子供たちの着替えなどを少しずつ車で運んでいる。
「要注意」の黄色い紙が貼られた男性会社員(43)宅では8日、男性が妻(41)と長女(6)と共に、被害箇所の点検や、避難先の親戚宅に持ち込む荷物の整理をしていた。
地震当日の6日未明、ドスンという縦揺れの後、体を揺さぶられる横揺れが続き、電気も水も止まった。コンビニ店で飲み水を確保しようと外に出ると、道路が陥没し、周囲の家が傾いているのが分かった。男性は「これは現実なのか」と目を疑った。
自宅の壁には3か所のひびが入ったが、「内部もやられているかもしれない」と男性。住宅ローンはまだ20年以上残る。妻は「家を新たに買うのは難しい。国や市などから支援が受けられるのか。見守るしかない」と肩を落としていた。(佐藤純)
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180910-00050016-yom-soci
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