地域イベントを中心に活動する「ご当地アイドル」らと芸能事務所との契約をめぐるトラブルが相次いでいる問題に絡み、厚生労働省が、雇用関係を結ばずに「フリーランス」として働く人を保護するルールの整備を検討していることが9日、分かった。
ご当地アイドルやライブハウスを中心に活動する「地下アイドル」は、全国に2千組近くいるとされ、大半はまだ幼さの残る少女たち。
事務所との契約をめぐるトラブルで自ら命を絶つケースもある。法に守られるべき未成年がなぜこのようなトラブルに巻き込まれるのか。(吉國在、浜川太一)
「夢をかなえたい女の子たちは、事務所の要求が理不尽でも『売れるまでは』と我慢を強いられる」。アイドルの労働問題に詳しい深井剛志弁護士は、パワハラやセクハラが起きやすい背景に、立場が強い事務所との力関係が存在すると指摘する。
子供の労働をめぐっては、法律で深夜勤務や長時間労働、就学時間内の勤務の禁止などを定めている。だが、ご当地アイドルらの契約の場合、法律の適用外だという。
深井弁護士によると、アイドル側の多くは事務所にマネジメントを委託し、事務所側がアイドルに仕事を委託するという「専属マネジメント契約」を結んでおり、
法的には「業務委託契約」などに分類される。同契約は雇用関係にあると見なされず、形式的には未成年であっても法律に基づく身分保証が受けられない。
そのため契約には、報酬規定がなかったり、本人の意思で休めなかったりと、アイドル側に不利な規約が盛り込まれる事例も少なくないという。
業務委託契約を結ぶ場合でも、未成年との契約には親権者の同意が必要だ。ただ、親も業界の慣行を知らず、事務所側に言われるままに契約を結ぶ事例が目立つという。
親が介在しにくい業界の特殊な事情もある。アイドル生命にかかわるスキャンダルを防ぐため、事務所が私生活も含めて徹底的に管理。アイドル評論家の西幸男氏は「芸能活動に関して口外を禁じるルールを設けるなどしており、親の適切な関与が阻まれる状況も生じやすい」と指摘する。
未成年がトラブルに追い込まれる状況に対し、深井弁護士は「未成年へのなんらかの保護規定が必要だ。若者が大人に食い物にされる状況は許し難い」と訴えた。
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181109-00000555-san-soci
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