北欧スウェーデンで中国人旅行客が現地警察から乱暴に扱われたことが「人権侵害」にあたるとして中国政府がスウェーデン側に謝罪を要求、これに対して現地テレビ局が中国人のマナーを風刺した番組を放送し、中国側が再び反発するなど深刻な外交問題となっている。(北京 西見由章)
■泣き叫ぶ親子
事件の発端は9月2日未明。中国人旅行客3人がスウェーデンの首都ストックホルムのホステルに到着した。だが、予約していたのは同日の宿泊で、チェックインまで10時間以上あったことから、トラブルとなった。
3人は60代の夫婦とその息子で、ロビーでの休憩を断られたにもかかわらず居座り続け、ホステル側が警察に通報。
外に連れ出された後も泣き叫ぶなどしたため、警察が車で地下鉄駅まで運び、3人を降ろした。
中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は同15日付で「病気のため意識がもうろうとなった父親を警察が殴打した」とする旅行客の男性の主張を掲載。男性は市中心部から数十キロ離れた郊外の墓地に放置されたと訴え、
「ノーベル賞のおひざ元で、常に人権を唱える国がこうした行為に及ぶとは大きな皮肉だ」と非難した。現地の中国大使館も「警察の行為は中国公民の生命の安全と基本的人権を侵犯した」として、事件に対する調査と当事者への謝罪、賠償を求めた。
中国外務省の耿爽(こう・そう)報道官も17日の定例記者会見で、「中国側はまだスウェーデン側から調査の進展状況について報告を受けていない。これは外交慣例に適合しない」と不快感を表明している。
中国国内では一部のネットユーザーが怒りを爆発。在中国スウェーデン大使館のSNSアカウントには「中国から出て行け」「IS(イスラム教スンニ派過激組織『イスラム国』)がスウェーデンを攻撃することを支持する」といった罵詈雑言(ばりぞうごん)が寄せられた。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181007-00000508-san-cn
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