千葉市若葉区中野町の県道で、鉄筋を積んだ大型トレーラーが横転し、下敷きになった軽乗用車の男女3人が死亡した事故。自動車運転処罰法違反(過失運転致死)容疑で送検されたトレーラーの運転手の男(26)が「積み荷を最大積載量を超えて積み過ぎてしまった」
などと話していたことから、千葉県警は道交法違反(過積載)容疑などで、男性の勤め先のリサイクル会社などの家宅捜索を行った。男はなぜ過積載の状態でトレーラーを運転し、事故を起こしたのか。県警は慎重に裏付け捜査を進めている。
事故は9月8日午前8時45分ごろ発生。千葉市若葉区中野町の県道で、トレーラーが坂道を下って交差点を左折する際に曲がりきれずに横転し、対向車線で信号待ちをしていた軽乗用車が下敷きになり、
軽乗用車を運転していた会社役員の吉田亮さん(43)=千葉県大網白里市=と同乗していた妻の葵さん(37)=同、亮さんの父親の隆さん(70)=千葉市緑区=の3人が死亡した。
捜査関係者によると、事故現場にはトレーラーのものとみられる横滑りしたようなタイヤ痕が見つかっており、トレーラーが横転した場所とも一致している。運転ミスがあった可能性があるという。
その一方で、運転手の男は最大積載量29トンのトレーラーに「鉄筋を37トンほど積んでいた」などと供述。トレーラーに最大積載量を超える鉄くずを積んだ疑いが強まったとして、県警は道交法違反(過積載)などの容疑で勤務先を家宅捜索し、現在裏付け捜査を進めている。
なぜ、過積載での走行を行うことになったのか-。業界関係者は鉄の買い取りシステムを挙げ、「鉄の買い取り業者はキロ当たりの価格で買い取るので、運送コストなどを考えると、一度に多くの量を運んだ方がもうけにつながる。過積載してでも利益を追求してしまう場合もあるのでは」と指摘する。
信号待ちで停車していただけで、突然尊い命を奪われた3人について、知人らは悔しさをにじませる。吉田さん夫婦の家の近くに住む30代の主婦は
「感じのいい人だった。本当に残念」と声を詰まらせ、50代の主婦は「町内会の清掃にも参加してくれており、事件は本当にショック」とやりきれない様子で語った。
吉田さんの父親の隆さんの家の近くに住む60代の自営業の男性は「(隆さんは)自治会長への就任を引き受けてくれており、生きていれば就任していたはずだった。奥さんが1人残されかわいそう」と話した。
県警は男について任意での捜査を続け、勤務先の過積載容疑での捜査と合わせ、事故原因の究明を徹底して進める方針だ。(千葉総局 長谷裕太)
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181002-00000576-san-soci
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