安倍晋三政権は、外国人労働者の受け入れ拡大に向け新たな在留資格を創設する出入国管理法改正案を2日に閣議決定し、今国会での成立を目指す。
安倍首相は外国人の受け入れについて「移民ではない」と強調するが、受け入れ拡大へ大きくかじを切ったのは、人口減少に伴う国内の労働者不足が日本経済の成長を阻害するとの危機感がある。
「(人手不足が)成長を阻害する大きな要因になりはじめている」
首相は2日、衆院予算委員会で外国人受け入れの必要性を訴えた。人手不足による倒産件数が今年は過去最多ペースとの民間調査会社の統計もあり、
アベノミクスの障害になっている。一部の労働現場はすでに技能実習生や留学生のアルバイトに頼っており、的確な在留管理のためにも制度の整備は急務だった。
移民政策に慎重な首相を説得し、政府内で受け入れを推進したのが菅義偉官房長官だ。介護や建設などの現場から人手不足に苦しむ現状が寄せられており、特に大都市に人材を奪われる地方が深刻だった。
菅氏は「外国人に働いてもらわないと日本はもたない。正面から受け入れる制度を作ろうと意見を聞いたら、官僚は最初は反対した」と打ち明ける。
与党内には来夏の参院選に向け、人手不足の業界の支持を期待する声がある。一方で、受け入れの上限が決まっていないことなどに対して慎重論も根強い。自民党の部会では「中国から労働力が補われるようになると中国が労働力のカギを握る」と中国を警戒する声も出た。(田村龍彦)
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181103-00000567-san-pol
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