3年前からシリアで行方不明になっているフリージャーナリストの安田純平さん(44)らしき新たな映像がネット上で公開され、菅義偉官房長官は、本人だとの認識を会見で示した。
この映像では、安田さんは、自身について「韓国人です」と話していた。なぜこう名乗ったのかは不明で、様々な憶測が出ている。
■「とてもひどい環境にいます。今すぐ助けて下さい」
覆面をして銃を構えた男2人の前で、安田さんは、イスラム国の人質が着せられるようなオレンジ色の服を着て、カメラに向かって日本語で話しかける。
「私の名前は、ウマルです。韓国人です。今日の日付は、2018年7月25日。とてもひどい環境にいます。今すぐ助けて下さい」
安田さんは、ヒゲがかなり伸びており、最後の方は、かすれ声になっていた。
この20秒ほどの映像は、「シリアの日本人人質からの訴え」の英語タイトルで、米動画サイト「Vimeo」にアップされた。
安田さんは、2015年6月にシリア北部でアルカイダ系の武装組織に拘束されたとみられており、その後に別の組織に移されたとの情報も一部で報じられている。最近では、安田さんが黒い上着を着てイスに座り、「2017年の10月17日だ」「すぐ会えることを願っている」などと英語で家族に呼びかける映像が日テレ系ニュースで18年7月6日に流れていた。
新しい映像の存在が7月31日夜に各メディアで報じられると、ネット上で波紋が広がった。
菅長官「邦人の安全確保というのは最大の責務」
安田純平さんが「韓国人」と名乗ったことに驚きの声が出る一方、その理由について推測も行われた。危険地帯に入ったことについて、「自己責任ではないのか?」などと疑問もくすぶっている菅官房長官は、8月1日の会見で、
「邦人の安全確保というのは最大の責務であり、引き続き、さまざまな情報網を駆使して、全力で対応に努めております」
と述べた。
戦場取材に詳しいフリージャーナリストの志葉玲さんは、ヤフーニュースに配信されたFNN(フジテレビ系)の1日配信ニュースへのコメントで、
「中東の人々が日本人と韓国人を間違えることは、よくあること。当初、拘束されていたヌスラ戦線(現シリア征服戦線)から別のグループへ安田さんの身柄は引き渡されたとされており、そのことによって混乱が生じているものと思われる」
との見方を示した。
ウマルという名前については、
「アラビア語圏に多い名前で、拘束中に安田さんにつけられた、あだ名であろう」
とみている。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180801-00000011-jct-soci
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