外国人労働者の受け入れ拡大のため新たな在留資格を創設する出入国管理法改正案が国会に提出された。
単純労働の受け入れに道を開く歴史的な政策転換と言えるだけに与党内には慎重論もあったが、首相官邸が主導する形で押し切った。
ただ、政府は受け入れ人数の見込みすら示せないなど突貫工事で仕上げた経緯は明らかで、来週にも始まる国会審議には不透明感も漂う。
◇自民あっけなく
「外国人労働者を増やすのはニーズがあるからだ。人手不足が経済成長を阻害する大きな要因になり始めている」。安倍晋三首相は2日の衆院予算委員会で、新在留資格創設の意義を強調した。外国人労働者の受け入れ拡大は本来、自民党保守派が慎重姿勢を取り続けてきた政策。保守派の代表格と目される首相がその旗振り役を務めるようになったのは、このままでは政権の看板である経済政策「アベノミクス」が腰砕けになるとの危機感からだ。
政府関係者によると、発端は菅義偉官房長官に地元から「人材難で介護施設を開けない」との訴えが寄せられたことだった。
調べてみると、他業種の人手不足も判明。長官は首相に相談し、2人で来年4月の新制度スタートの流れを固めた。準備作業が本格化したのは昨年夏ごろだ。
改正案を審査した自民党法務部会は結論ありきだった。先月22日の議論開始時点で、党は26日の了承を目指す日程を早々に公表。
出席者からなぜ急ぐのかただされると、法務省は「首相と官房長官から来年4月と発言があった」と苦しい受け答えを余儀なくされた。
部会の審査終了は数日ずれ込んだものの、最終関門の総務会は政府の想定通り30日に了承。6月に閣議決定された「骨太の方針」に新在留資格が書き込まれ、レールが敷かれていたことも慎重論者の勢いをそいだ。「党はあっけなかったな」。政府高官は余裕の表情でこう語った。
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181103-00000022-jij-pol
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