大阪府警富田林署で勾留されていた無職、樋田(ひだ)淳也容疑者(30)が面会室から逃走した事件は26日で発生から2週間が過ぎた。
当初は樋田容疑者の関与が疑われるひったくり事件が続発したが、14日を境に10日以上も鳴りを潜め、足取りが途絶えた。
ある程度の現金と食料を得て、空き家やガレージに隠れたか。協力者を得て潜伏生活に入ったか。富田林署捜査本部は実家周辺の同府松原市などでローラー作戦を展開したが、捜査は難航している。
■捜査の的分散
22日夜、松原市の住宅街にあるシャッター付きの貸しガレージ。10人ほどの捜査員が集まり、樋田容疑者が滞留した形跡がないか見て回った。
同市内にある樋田容疑者の実家から約1キロの距離。近くには、5月に逮捕されるまで偽名で借り、最初の逮捕容疑となった盗難バイクの保管場所だった別のガレージがあった。
ガレージ付近の防犯カメラは逃走翌日の13日未明、樋田容疑者とみられる男が歩きながら、何かを食べている姿を捉えていた。
ただ捜索した22日時点で逃走から10日が経過。それでもガレージを確認せざるを得なかったのは、樋田容疑者の動きが見えないことの裏返しだ。捜査関係者は「土地勘があるとはいえ、まだ周辺にとどまっているかどうかも正直分からない」とこぼした。
樋田容疑者の関与が疑われるバイクによるひったくりは、逃走から約5時間後に起きた大阪市浪速区での被害を皮切りに、同市平野区や同府羽曳野市などで14日までに計5件起きた。
府警は夜間のひったくりを警戒するシフトを敷いたが、それを見越したかのように15日以降は新たな発生がやんだ。
ひったくりの被害額は合計で4万円近く。スマートフォンやかばんなどの現金以外の被害品は、トラックの荷台に捨てられたり、河川敷に投棄されたりと分散され、捜査の的が絞り込めなかった点も早期確保を難しくした。
■「通学が不安」
捜査本部は樋田容疑者の立ち回り先が多いとみられる松原市内や近隣の大阪市平野区で、各戸をしらみつぶしに当たるローラー作戦を展開。不動産管理会社にも広く協力を呼びかけ、空き部屋もチェックしているが、有力な手がかりは得られていない。
府警捜査1課OBは「今は総員態勢で防犯カメラの解析を急ぐしかない。知人らと接触している可能性も捨てきれず、交遊関係を改めて押さえる必要がある」と話した。
今回の逃走事件に絡み、府警に寄せられた意見は2800件超。9割以上が苦情や抗議で「逃走から2時間も気づかないとは」「府民への情報提供が遅い」などと厳しい内容だった。夏休み明けの学校再開を控え「子供を通学させるのが不安だ」との保護者の懸念もあった。
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180826-00000549-san-soci
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