シリアで武装勢力の人質となり、その後解放されたジャーナリストの安田純平さんについて、ネットを中心に安田さんに対して浴びせられる「自己責任論」に対し、著名人が相次いで擁護論を展開。その声はやみそうもないが、擁護の根拠はかなり違っている。
■「兵士になる覚悟もあるまい」
漫画家の小林よしのりさんは2018年10月26日、「安田純平氏をバッシングするヘタレ虫ども」とのタイトルでブログを更新。
「また『自己責任論』でバッシングする知能低劣なネトウヨが繁殖しているらしい。ジャーナリストは戦場に行くなとでも言うのか? 自分の勇気のなさを反映した『自己責任論』で叩いてるだけの卑怯者は、国家存亡の危機に兵士になる覚悟もあるまい」
と、痛烈な論調で自己責任論を批判。「安田純平氏はとにかく体力を回復させ、精神状態を安定させるために休んでほしいものだ」と、安田氏の体調を気遣っている。
また、ネット通販大手「ZOZOTOWN」の前澤友作社長(42)は同日、
「拘束されていた安田さんが解放され助かった。本当に良かった。けれど忘れてはいけない。2015年1月の後藤さんと湯川さん、2004年10月の香田さん、三人とも助からなかった。人命より、テロとは交渉しないという姿勢を優先した。人命<姿勢??? 」
と、安田さんが帰国したことを喜ぶとともに、これまでに犠牲になった3人について、助かるべき人たちが助からなかったとの考えを示した。
なお、前澤社長はこの後に「身代金は(中略)重要なカードとして使えるのではないかと僕はいつも思う。いくら払ってでも人命第一である」ともツイートしたが、
これについては日本維新の会の衆議院議員・丸山穂高氏が「この社長さんの人類史や中東の地政学すらぶっ飛ばした発想が過ぎて、驚きを隠せない。あまりにも無邪気な」とツイート
。これに対し、前澤社長が「もし先生のご家族や身近な方が人質にとられても身代金は断固払いませんか?」と返すなど、ツイッター上での舌戦となった。
三浦瑠麗さんはジャーナリストと国家の役割を説明
また、28日には「ワイドナショー」(フジテレビ系)に出演した国際政治学者の三浦瑠麗さんが、ジャーナリストと国家の役割は、時としてぶつかり合うことを説明。「ジャーナリストとは、時に、政府の邪魔をしてでも真実を暴くものである」と、ジャーナリストが危険を冒すのは当然とした上で、「(それでも、)政府にはどんな国民でも救出する義務がある」と、国家の役割を強調した。
加えて、「今の時点で(安田さんがやってきた活動について)ものすごく壮大なストーリーにしてしまうのはちょっと違うと思う。その一方で、自己責任論もおかしい」と指摘している。
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181028-00000008-jct-soci
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