通常国会で安倍政権を追い詰め切れなかった野党。「足並みの乱れ」の最大の要因となった立憲民主党と国民民主党のそれぞれの本音について、両党の担当記者が解説する。“担当記者”が見た立憲民主党 野党内の「亀裂」を深めた“2大事件”
通常国会の最終盤、いわば野党にとっての「伝家の宝刀」ともいえる最後の抵抗手段である安倍内閣不信任決議案をめぐり野党が協議を続ける中、立憲民主党の幹部がこう漏らした。
「野党内で疑心暗鬼になっている」
立憲民主党が、国民民主党への疑念と不満を募らせたのは、重要法案の審議が衆院から参院に舞台を移した後半国会からだった。それは、野党第一党は立憲民主党なのだが、参院における野党第一会派は国民民主党であることに起因する。
立憲・国民の「亀裂」がとりわけ深まったのは、2つの出来事だった。
1つ目は、与党が参院厚生労働委で働き方改革法案の採決を目指した6月28日に起きた。
立憲民主党は、採決を阻止するため、共産党・自由党・社民党とともに島村厚労委員長の解任決議案を提出した。しかし国民民主党はこれに同調しなかった。
参院の野党第一会派が共同提出に加わらなかったことで、解任決議は採決すらされなかったのだ。これにより立憲民主党内で国民民主党に対する不信感が強まった。
党幹部は、「国民民主党がひどい前例を作った」「自民党にすり寄ってるだけだ」と怒りを吐露した。
2つ目は、カジノを含む統合型リゾート=IR実施法案をめぐる対応だ。
国民民主党は法案自体には反対したものの、参院での採決をめぐる与野党の攻防に至ると、採決容認と引き換えに、運用面での制限を図る「付帯決議」を付けることに傾いた。
付帯決議は、自民・公明・国民・維新の賛成多数で議決されたが、国民民主党の矢田議員が決議案文を読み上げた際には、
同じ野党側から「なんでそんなものを読んでるんだ!」とヤジが飛んだ。そして立憲民主党の幹部からは「国民民主党はめちゃくちゃだ」「何を考えているのかわからない」との声が相次いだ。
立憲民主党は、野党の政府へのチェック機能を重視し、「野党は野党らしく政府与党と対決すべき」という姿勢だ。それだけに国民民主党の行動は理解しがたく、許せないものだった。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180806-00010000-fnnprimev-pol
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