日本郵便は2019年用の年賀はがきについて、「過剰なノルマ」との批判があった販売枚数の「指標」を廃止する方針であることが分かった。
年賀はがきは、会員制交流サイト(SNS)が普及した影響もあって購入者が年々減少。指標の枚数が販売できず、局員が自腹で購入して金券ショップに持ち込むなどの不適正な行為が横行し、長年問題になっていた。
複数の関係者によると、同社が局員向けに作成した「社長メッセージ」と題する内部文書には、自腹営業が根絶できない理由について
「『上司などからの過大な指標達成圧力』などの声もある」として「社員を大事にする会社としてあってはならない」と記載。
別の文書では、見直し策として19年用年賀はがきの販売指標を設定しないと明記している。年賀はがきを利用したダイレクトメールなど企業向けの営業に関しては、
新規需要が期待できることから引き続き指標を設定するとした。企業向けは全体の4分の1程度だという。
18年用の年賀はがき、販売と配達の差5億9千万枚
これまで同社は前年の販売枚数などを基に指標を設定、各郵便局が10人ほどの班ごとに割り振って営業してきた。
一部の郵便局ではさらに個人ごとにノルマが課され、さばききれない局員が自身で購入して金券ショップに持ち込んだり、値引き販売したりする不適正営業が続いてきたという。
18年用の年賀はがきの販売指標は27億6千万枚。約26億5千万枚を販売したが、実際に配達されたのは約20億6千万枚だった。販売と配達の差の約5億9千万枚には、局員の自腹購入分が含まれるとみられる。
同社は西日本新聞の取材に「詳細は控えるが、これまでも指標については常に見直しを図ってきており、方針転換があったとは考えていない」としている。
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引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180914-00010000-nishinp-soci
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