JKビジネスを規制する東京都の条例施行から1年が経過して都内のJKビジネス店は激減し、女子高生ら少女は店から姿を消した。警察当局内では、インターネットの世界に“潜行”したデート援交が、児童買春に発展することへの懸念がある。規制条例のない都外の店に、少女らが移動している現状も指摘されている。
「ランチご一緒しませんか」「平日夕方から都内で」。短文投稿サイト「ツイッター」などでは、デート援交を持ちかけているとみられる書き込みが相次いでいる。警視庁は警察官が身分を明かさずに連絡をとり、実際に会って注意や指導をする「サイバー補導」に力を入れている。
捜査関係者によると、デート援交は「パパ活」などとも呼ばれ、1回あたり数千円を受け取り、一緒に食事や散歩などをする。「表のJKビジネスで働けなくなった女子高生らがインターネットで小遣い稼ぎをしている可能性が高い。児童買春などの犯罪にもつながり、危険だ」。同庁関係者は警戒感を強める。
JKビジネスは平成20年ごろに秋葉原で始まり、現役の女子高生らが働くことで物議を醸した。当初は制服を着て添い寝などをする「リフレ」が主流だったが、外を一緒に歩く「散歩」や、会話などをする「コミュ」といった業態が登場。一部の店舗では、性的なサービスをする「裏オプション」と呼ばれる違法行為が明らかになった。
問題に対処するため、都は平成29年7月、規制条例を施行。営業の届け出を義務化してJKビジネスの実態把握と違法業者の排除を進め、警視庁が把握する店舗数は同年6月の76店舗から、今年6月には37店舗(届け出数)に減った。
ネットを介したデート援交の横行以外にも、無届けの違法店舗がJKビジネスと称して少女を派遣するケースが確認され、警視庁が摘発を進めている。
JKビジネスに詳しいノンフィクションライターの高木瑞穂さんは「少女たちの一部は規制条例のない別の都市で働く場所を求めている」と指摘する。高木さんによると、首都圏郊外のJKビジネス店には「未成年でも働けますか」などの問い合わせがあるという。
愛知県や大阪府では都と同様の条例が施行されている。神奈川県や兵庫県でも今後施行される予定で、JKビジネス規制は広がりをみせている。高木さんは「規制を強めることだけでは少女が巻き込まれる犯罪の抑止にはならない。SNSなどの監視も強化していくことが大切だ」と強調する。(三宅真太郎)
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180716-00000508-san-soci
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