安倍晋三首相は「戦後日本外交の総決算」を掲げ、引き続き首脳外交に全力を挙げる。
北朝鮮による日本人拉致問題やロシアとの北方領土問題の解決などに照準を合わせるが、成果を得るのは容易ではない。
首相は2日の記者会見で「安倍内閣の総力を結集して最も重要な課題である拉致問題の早期解決を成し遂げる決意だ」と表明。
こう着状況を打開するため、「次は私自身が北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と向き合う」と強調した。
首相は最近、日朝平壌宣言に基づく国交正常化に前向きな姿勢を繰り返し示している。ただ、北朝鮮は拉致問題について「解決済み」との立場。首相の掛け声とは裏腹に、解決への道筋は見通せない。
首相は、ロシアのプーチン大統領との個人的な関係をてこに、北方領土問題を含む平和条約締結交渉の進展を目指す。しかし、プーチン氏は唐突に「年末までに前提条件なしで平和条約を締結しよう」と提案。
日本側は領土問題の棚上げを警戒しており、11、12月の国際会議に合わせた日ロ首脳会談は、首相にとって正念場となる。
中国とは、日中平和友好条約の発効40周年に合わせ、23~25日に首相が訪中し、習近平国家主席と会談する方向で調整している。
首相は関係改善の流れをさらに進め、来年の習氏来日につなげるシナリオを描いており、沖縄県・尖閣諸島や歴史認識をめぐる対立をどう軟着陸させるかが課題だ。
首相は韓国の文在寅大統領にも早期来日を呼び掛けるが、慰安婦問題をめぐり、韓国側が日韓合意に基づく「和解・癒やし財団」の解散を示唆するなど懸念はつきまとう。
首相が外交戦略の基軸に据える日米関係では、物品貿易協定(TAG)交渉という難題を抱えた。米側は年明けの交渉開始を視野に議会手続きを進める見通し。来年夏に参院選を控える日本側は、米側の攻勢をしのぐ必要に迫られる。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181003-00000013-jij-pol
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