シリアでイスラム過激派組織に拘束されたとみられていたジャーナリスト安田純平さんの解放を受け、政府は首相官邸直轄の「国際テロ情報収集ユニット」の活動の成果だとアピールしている。
政府は身代金の支払いを否定しているが、仲介役のカタール政府から過激派組織に身代金が渡ったとの情報もある。
安倍晋三首相は24日、首相官邸で記者団に「解放の報に接して安堵(あんど)している」と語った。カタールとトルコの協力に謝意を示しつつ、「政府としてもあらゆる努力を尽くしてきた」と強調した。
菅義偉官房長官はこの後の記者会見で「官邸を司令塔とする国際テロ情報収集ユニットを中心にカタールやトルコに働き掛けた結果だ」と指摘。「首相からも両国に強く依頼した」と付け加えた。
国際テロ情報収集ユニットは東京五輪・パラリンピックなどに備えて2015年12月に発足。日本政府関係者によると、メンバーは自国の記者を拘束された経験を持つスペインなどから解放交渉のノウハウについて助言を受けながら、トルコを拠点に関係国や仲介者に働き掛けを続けてきた。
解放への動きは1~2カ月前から慌ただしくなってきたという。ただ、停滞状況を打開することになった要因は明らかになっていない。菅長官は解放までの経緯について「事案の性質上、控えたい」と言及を避けた。
在英のシリア人権監視団は、解放に際して「多額の身代金が支払われた。日本ではなくカタールが支払った」と主張。シリアの反体制派の間でも「カタールが100万米ドル(約1億1300万円)以上払った」などのうわさが飛び交っている。
菅長官は会見で身代金支払いを否定したが、日本政府関係者の一人は「過激派組織が自発的に動くことはない」と指摘。「日本が直接渡さなくても、やり方はいろいろある」と述べ、日本が何らかの形でカタールに報いることを前提に、カタールが身代金を支払った可能性を示唆した。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181024-00000079-jij-pol
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