日中首脳による北京での26日の会談内容をめぐり混乱が生じている。
安倍晋三首相は両国関係に関する三つの方針を「原則」と位置付け、習近平国家主席らとの会談で確認したと表明したが、日本政府内では「会談で原則という言葉は出ていない」と困惑する声が漏れている。
首相は習主席、李克強首相それぞれとの会談の冒頭、「競争から協調へ」「互いに脅威とならない」「自由で公正な貿易体制を発展」の3点に言及。先に行われた李氏との会談後、首相は民放番組で「三つの原則を確認した」と明言し、首相官邸のフェイスブックにも同様に書き込んだ。
一方、習主席との会談に同席した西村康稔官房副長官は、会談後の記者団への説明の際、「三つの原則という言い方はしていない」と断言した。
この食い違いを受け、外務省関係者が記者団を集めて「中国側が確認したと言っているわけではない」などと説明に追われた。会談に同席した一人も「双方とも3原則とは言っていなかった」と首相の説明に首をひねるが、首相が言及した3点に中国側から異論は出なかったという。
首相は29日の衆院代表質問の答弁で「日中関係の道しるべとなる三つの原則を確認した」と強調、確認したとの立場は貫く構えだ。
誇張ともとれる首相の主張には、会談成果のアピールを狙う意図ものぞく。野党からは「新たな捏造(ねつぞう)だ。国内向けの宣伝と実際の交渉に乖離(かいり)があるのではないか」(玉木雄一郎国民民主党代表)との批判も出ている。
中国外務省の陸慷報道局長は29日の記者会見で、3原則を確認したかとの質問に直接答えず、「安倍首相の(3点の)表明を歓迎する。日本が積極的に表明し、中日関係を絶えず前向きに発展させていくことを期待している」と述べた。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181030-00000021-jij-pol
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