日本政府が、朝鮮学校を高校無償化の適用対象外としたのは、教育を受ける権利の侵害にあたるとして、韓国の市民団体が、国連人種差別撤廃委員会に報告書を提出したという。これらの主張のおかしさと、日本の対抗策について、自民党政調会長代理の片山さつき参院議員に聞いた。
「『朝鮮学校だからダメだ』というわけではない。補助金などを得ようとするなら、北朝鮮との不当な関係を払拭した証拠が必要だ」
片山氏は、こう言い切った。
スイス・ジュネーブで8月開かれる国連人種差別撤廃委員会で、4年ぶりに対日審査(16~17日)が行われる。
聯合ニュースなどによると、韓国の市民団体は今月、日本の差別や人権侵害を指摘する報告書を同委員会に提出した。この中には、朝鮮学校への高等学校等就学支援金適用除外や、同校の生徒が修学旅行で北朝鮮から持ち帰った土産物を税関で没収された件などが含まれるという。
文在寅(ムン・ジェイン)政権下での「南北接近」を感じさせる動きだが、日本が朝鮮学校を不当に差別したことはない。在日朝鮮人の子弟にも教育を受ける権利は保障され、公立小中学校は門戸を開いている。
ただ、朝鮮学校は明らかに思想や運営面で北朝鮮の支配下にあり、朝鮮学校を経由して北朝鮮に送金されていた事実もある。
このため、文科省は2016年3月29日、朝鮮学校に補助金支給を行う都道府県に対し、支給の適切かつ透明性のある執行を求める大臣通達を出した。
そもそも、北朝鮮は国際社会のルールを無視して、核・ミサイル実験を繰り返し、国連安全保障理事会による制裁決議を受けてきた。これらの脅威を受ける日本は「外国為替及び外国貿易法に基づく北朝鮮に係る対応措置について」に基づいて、物品の輸出入などを禁止している。
北朝鮮への修学旅行から戻った神戸朝鮮学校の生徒たちが6月28日、関西国際空港でお土産物を没収されたのは、このためだ。
片山氏は「日本は粛々と法を執行しているだけで、格別の意図は入っていない。これは明らかに差別ではない」と断言し、来月の国連人種差別撤廃委員会での、日本政府の対抗策について、次のように語った。
「国連は決して中立的な場ではない。日本は国連の分担金の見直しも考慮に入れつつ、発言力を増強するためにさらにコミットしていくべきだ」(ジャーナリスト・安積明子)
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180730-00000000-ykf-soci
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