ここ最近、自衛艦の旭日旗掲揚問題などでぎくしゃくしていたが、韓国最高裁が日本企業に元徴用工への損害賠償を命じた判決をめぐる両国政府の非難の応酬が関係悪化に拍車を掛けた。事態の打開策は見えず、日本人拉致問題にも影を落とす。
今年は「未来志向」をうたった日韓共同宣言から20年の節目だが、あつれきが強まったのは秋以降だ。韓国の閣僚は9月、慰安婦問題の日韓合意に基づく財団の解散方針を示唆。また、韓国は10月の国際観艦式で自衛艦に旭日旗を掲揚しないよう要請。日本側が拒否し、式典への艦艇派遣を見送る事態に発展した。
この直後、韓国国会議員団が島根県・竹島に上陸。続けざまに韓国最高裁が元徴用工への賠償を命じる判決を出した。
韓国最高裁の判決に関し、安倍晋三首相は「あり得ない判断」と反発。河野太郎外相は「暴挙」「国際秩序に対する挑戦」と激しく非難した。一方、韓国の李洛淵首相は「日本政府指導者たちが過激な発言を続けている」と不快感を表明。対立は先鋭化しつつある。
関係悪化による影響が懸念されるのは拉致問題の行方。首相が意欲を示す日朝首脳会談に関し、韓国の文在寅大統領が橋渡し役となることも期待されていたからだ。冷却期間が長引けば、拉致問題が停滞しかねない。
とはいえ、元徴用工問題で日本側に譲歩する気はない。判決に対し、日本政府は「1965年の日韓請求権協定に反する」との立場だからだ。菅義偉官房長官は8日の記者会見で、韓国側に「適切な措置」を取るよう要求した。
首相と文氏は、来週の東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議にそろって出席するが、政府内では日韓の2国間会談を見送るべきだとの声が強まっている。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181108-00000136-jij-pol
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