法定速度時速60キロの自動車専用道路を時速約280キロで暴走したとして、大阪府警城東署は5日、乗用車を運転していた大阪市城東区の無職の男(35)を道路交通法違反(速度超過)容疑で書類送検した。
車は日産の高級スポーツカー・「GT―R」。国内のスピード違反としては過去最高速度とみられる。走行する様子を動画投稿サイト「ユーチューブ」に複数アップしており、府警が動画解析。男は「性能を試そうと思った」と容疑を認めている。
男がトンネルの中で乗り込んで運転を始めたスポーツカーは、車やトラックを次々に追い抜き、ほんの20秒ほどでスピードメーターが280キロをオーバーした。
男が「ドットコム智」の名前で投稿したとみられる動画。危険な速度で暴走する様子が、車内からのカメラ映像ではっきりと映し出されていた。
書類送検容疑は1月12日午前4時10分ごろ、自動車専用道路「第2阪奈道路」上り線で、法定速度の時速60キロを約220キロオーバーする約280キロで乗用車を走行した疑い。同乗者はおらず、事故やけが人もなかった。
5月に動画の閲覧者から府警に情報提供があり、画像を解析して男が浮上した。府警は8月、車のナンバープレートをつけずに走行したとして、道路運送車両法違反の疑いで逮捕。翌日釈放し、任意で調べていた。
男は調べに対し「車の性能を試したかった」と容疑を認めた。動画については「みんなに見てほしかった」と供述。「ドットコム智」の動画には「GT―R」以外の複数の高級スポーツカーを爆走させる様子も映されていた。
時速280キロは東海道新幹線「のぞみ」の最高(285キロ)とほぼ同じ時速。スピード違反の検挙では、千葉県警が3月、高速道路・東京湾アクアラインを大型バイクに乗って時速239キロで走行したとして、同法違反の疑いで男を書類送検したのを超え、過去最高とみられる。
「GT―R」は日産の最高級グレードのスポーツカー「スカイラインGT―R」の後継車種で、07年に発売。最高時速は300キロを超えるという。
9月に日産とスポンサー契約を発表したプロテニスプレーヤー・大坂なおみ(21)が「GT―R好き。ん~速い」とコメントし、日産側から贈呈を約束されていた人気車種だ。
動画にはスピードメーターが300キロを指しているものもあり、一定以上の速度が出ないように制御するリミッターを外していたものとみられる。
◆過去に大幅な速度超過で検挙された主な例
▼239キロ 2018年3月、千葉県と神奈川県を結ぶ東京湾アクアライン(法定速度80キロ)で33歳男性がバイクで。投稿動画から判明し、書類送検
▼235キロ 18年3月、40代の男が都内の中央自動車道の法定速度100キロ区間を米国製スポーツカーで。速度違反取り締まり装置(オービス)が検知したことで逮捕
▼172キロ 群馬県伊勢崎市の国道(法定速度60キロ)で、24歳男性が乗用車で。オービスが発動する様子をスマホで撮影し動画サイトに投稿しており、後に逮捕
▼176キロ 08年4月、28歳の男が東京都八王子市内の都道(法定速度60キロ)を乗用車で。現行犯逮捕
▼170キロ 05年4月に33歳の男が帰宅途中、群馬県前橋市の国道(法定速度60キロ)を乗用車で。酒を飲んでおり、現行犯逮捕
【注】速度は全て時速
◆処分は? 時速50キロ以上の速度超過違反はすべて「6月以下の懲役(過失の場合は3月以下の禁錮)又は10万円以下の罰金」。
今年1月、埼玉県内の東北道で時速92キロの速度超過で検挙された男性に対して最高裁で懲役4か月、執行猶予3年の判決が下り、刑が確定した。行政処分は初の違反で累積違反がない時は「12点減点」。90日間の免許停止となる。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181105-00000158-sph-soci
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