最低賃金の引き上げをめぐる議論が大詰めを迎えている。
厚生労働省の中央最低賃金審議会(厚労相の諮問機関)は24日に小委員会を開催し、2018年度の引き上げの目安額を決定する見通しだ。政府は年率3%程度上げる方針で、18年度も全国平均で前年度比26円増の時給874円が軸になるとみられるが、労使の隔たりは大きい。
中央最低賃金審議会は、労使双方の代表と学識者で構成する。これまでの議論で、労働側の委員は来年までに800円以下の地域をなくすべきと主張。最も水準の低い地域で35円引き上げ、高い地域との格差縮小を求めた。
一方、経営側は「近年の大幅な引き上げによる企業経営への影響を考慮した議論をすべきだ」と反論。中小企業の労働者全体の賃金上昇率である全国平均1.4%を踏まえて検討するよう主張している。
17年度の最低賃金は全国平均で848円だが、この水準でフルタイムで働いても年収は176万円。連合や日弁連が主張する1000円でも年収208万円。いずれも貧困から脱出するのは難しく、最近は1500円を目指す運動も広がっている。
最低賃金を大幅に上げると、雇用に悪影響が出るとの懸念もあるが、日弁連で貧困問題を担当する舟木浩弁護士は「引き上げられた結果、労働者を解雇したりということは生じていない」と話す。日本は空前の人手不足。むしろ多くの企業は人材確保のため、賃上げを迫られているのが実情だ。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180721-00000058-jij-pol
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