■氷山沖縄の貧困に関連する諸問題は、数々のデータが示しているとおりだ。約3割に達する子どもの貧困(1位、全国平均の約2倍)、給食費未納率(1位)、1人当たり県民所得(最下位)、非正規雇用率(1位)、失業率(1位)。
その背景として、若年結婚率(1位)、デキ婚=できちゃった結婚=率(1位)、離婚率(1位)、転職率(1位)、シングルマザー世帯出現率(1位、全国平均の約2倍)、一人親世帯の子どもの貧困率(1位、約60%)、高校・大学進学率(ワースト1位)・・・。
しかしながら、多くの人が語っているこれらの問題は、目に見える現象を議論しているに過ぎない。いわば氷山の一角を見て、氷山を語ろうとするようなものである。水面下には、はるかに大きな氷の塊が沈んでいる。
これが貧困問題の根本原因となっている「社会構造」である。車のエンジンがオーバーヒートしたら、ボンネットに水をかけても直らない。エンジンを直すためには、機械の構造を理解しなければいけない。
沖縄の貧困も同じである。貧困問題の治癒を望むのであれば、水面下の社会構造を分析し、その構造変化に働きかけなければならない。
これに対して、目に見える部分だけに行う支援を「対症療法」という。対症療法は治癒ではない。文字通り症状を和らげるが、副作用が生じて、問題をかえって悪化させることの方が多い。貧困対策に多くのエネルギーが投下されながら、あるいはそれゆえに、貧困問題が深まることになる。
だから、最大の問題は、沖縄の社会構造がこれまで明らかにされてこなかったということにある。エンジンの構造が明らにされなければ、ボンネットに水をかけるような対症療法にならざるを得ないのは無理のないことなのだ。
■ものがたり
貧困を生み出す社会構造について言語化されたものは、私が知る限り、ほとんど存在しなかった。だから、私にできることは、できるだけ多くの人と、できるだけ深く会話して、この社会の法則を独自に描いて見ることだった。
「沖縄から貧困がなくならない本当の理由(1~6)」は、私が14年間で約2万人の人たちと、約2万時間会話して、そこから導かれた仮説をまとめたものだ。この連載はこれまで延べ102万人超に読まれており、離脱率も低かった。
この記事がこれだけ拡散したのは、私が示す沖縄の社会構造モデルが、多くの人の実感と一致していたからだと思う。
私の論考は、必ずしも「事実」の記述による科学ではない。データをもとに論理的に構成されているとは思うが、因果関係の一部は実証されておらず、完全な科学というよりも、ひとつの視点で人と社会を説明する「物語」というべきかもしれない。
よく書かれた物語には、「事実」をどれだけ積み上げてもたどり着けない真実を表現する力がある。だから、人々は長い間、社会の本質や人生の知恵を物語によって伝えてきた。「事実」は時代と価値観によって変化するが、本質的な物語は普遍性を帯びることがあると思うのだ。
そして当然ながら、私の「物語」が沖縄のすべてに当てはまるなどと言うことはない。しかし、「物語」によって沖縄社会の一般的な傾向と、その原因となる社会構造を示すことができれば、現実の問題解決(治癒)に有効であるはずだ。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180817-00300288-okinawat-oki
みんなのコメント
沖縄の貧困の原因は客観的レベルの低さです。沖縄県民は「県外、国外に出てみないとわからない」と言うが、それは間違い。ただの言い訳に聞こえる。
正しくは「努力してみないとわからない」でしょ。
例えばね、沖縄県民はゴーヤーチャンプルーを何気に適当作っている。しかし、半々は美味しくない。物足りなさを感じるし、全く味を向上していない。
沖縄県民がこれを見たら、「バカにするな!!」と怒るかも知れないが、それは途中で調理を怠けている本質だろう。
だから、努力しないから沖縄差別しやすいんだよ