防衛省は、男性に限ってきた海上自衛隊の潜水艦の乗組員について、女性自衛官を登用する方針を固めた。任務の増加や少子化に伴う人手不足を補うのが狙いで、
2023年頃の登用を目指す。これにより、法的な制約から配置を制限している陸自の一部の職域を除き、女性自衛官の配置制限が全廃されることになる。
自衛隊では1993年以降、段階的に女性の配置制限を撤廃してきた。昨年4月には、女性自衛官の比率を2016年末の約6%から倍増させる「女性自衛官活躍推進イニシアチブ」を策定。陸自の普通科中隊など、戦闘の最前線の部隊で制限を撤廃したが、潜水艦は制限が残っていた。
隠密行動が鉄則の潜水艦は、乗組員約70人。1か月以上、海中で活動することも多く、密閉空間で長期の集団生活を送る。
無駄を省いた艦内は、「脱衣所がなく、シャワーを浴びる際は通路で脱ぎ着するような構造」(海自幹部)で、女性用の部屋やトイレ、風呂はない。同省は「性別に配慮した職場環境が確保できない」としてきた。
だが、中国が海洋進出を強める中、東シナ海での警戒任務が増加しているうえ、昨年末からは北朝鮮による洋上密輸の監視も加わり、海自の人手不足は深刻だ。
各艦艇ではすでに定員割れが常態化しているが、政府は現在18隻の潜水艦を22隻に増やす方針で、ある防衛省幹部は「女性自衛官の比率が増える中、もはや男性だけで任務をこなせる時代ではない」と語る。
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180830-00050127-yom-soci
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