広島県福山市では豪雨の影響でため池が決壊し、濁流にのみ込まれた同市駅家町向永谷(えきやちょうむかいながたに)の保育園児、甲斐朱莉(あかり)ちゃん(3)の遺体が見つかった。
9日には通夜が市内の斎場でしめやかに営まれ、会場には悲しみが広がった。「心が痛い」。朱莉ちゃんの親族の男性は、こうつぶやいた。
朱莉ちゃんは7日夕方、自宅で母親らと一緒にいたところを濁流に流された。「元気いっぱいの女の子で、顔は父親にそっくりだった」。朱莉ちゃんと同じ年齢の子供がいるという近所の会社員の男性(37)は、言葉を絞り出すように話した。甲斐さん一家とは家族ぐるみの付き合いだったという。
朱莉ちゃんが行方不明になってから、近隣住民や消防などが約300人態勢で捜索にあたった。
「おった!」。広島県警などによると、行方不明になってから約20時間後、朱莉ちゃんは自宅から約300メートル離れた別の池で遺体で見つかった。それまで気丈に振る舞っていた朱莉ちゃんの父親は、変わり果てた娘の姿を確認すると、人目をはばからず泣き崩れた。
その後、父親は捜索にあたった消防や警察、友人らに「ありがとうございました」と何度も頭を下げたという。「かける言葉が見つからなかった。無念で胸が締め付けられた」。30代の消防団員は、伏し目がちに、こう振り返った。(桑波田仰太)
引用元: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180710-00000539-san-soci
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